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終活サービスの費用|前払い金の預け先も確かめて選ぶ

終活サービスの費用|前払い金の預け先も確かめて選ぶ

パンフレットに「サポート費用一式」とだけ書かれていて、内訳が載っていないことがあります。

終活にかかるお金は、金額が公表されている実費と、依頼先で変わる報酬と、契約時に先に預ける前払い金の3つに性質が分かれます。

実費は調べれば分かります。

法務局に自筆証書遺言を預ける手数料は1件3,900円(法務省 遺言書保管所/2026年9月時点)です。

読みにくいのは残りの2つです。とくに前払い金は、事業者が倒産したときに戻るかどうかが預け先の決め方で変わります。

本記事では、終活の費用を実費と報酬に分ける見方・前払い金の預け先の確認点・法テラスの無料相談が使える収入の基準まで解説します。

終活の費用は実費・報酬・前払い金の3つに分かれる

見積書を並べても高いか安いか判断できないのは、性質の違う3種類のお金が「一式」の1行に混ざっているためです。

分けてしまえば、確かめる相手もそれぞれ違います。

なお以下の金額は、2026年9月時点で各機関が公表しているものです。

区分中身の例額の決まり方
実費遺言書の保管手数料、戸籍や証明書の取得費、登録免許税、郵送料法令や条例で決まっている。どこに頼んでも同額
報酬弁護士・司法書士・税理士への依頼料、相談料、書類作成の手数料依頼先が自由に決める。公表された相場は無い
前払い金身元保証サービスの預託金、葬儀の生前契約の積立、永代供養料事業者が提示する。使う前に渡すお金

額が公表されている実費

実費は調べれば分かるので、見積書に入っていなくても自分で足し算できます。

自筆証書遺言を法務局に預ける制度の手数料は1件3,900円(法務省 遺言書保管所/2026年9月時点)で、これは全国どこの遺言書保管所でも変わりません。

戸籍謄本や登記事項証明書のように窓口ごとに額が定まっているものも同じ扱いです。

実費のなかでいちばん大きくなりやすいのは、不動産の名義を変えるときの登録免許税です。

固定資産評価額に対する割合で計算するため、実家の評価額が分からないと総額も出ません。

計算の仕組みは相続登記の費用と登録免許税0.4%の計算で解説しています。

依頼先で決まる報酬

弁護士・司法書士・税理士の報酬は、かつての会ごとの基準が廃止されて以降、それぞれの事務所が決めています。

そのため「相続の相談は◯万円」と言える公表数字がありません。

この記事でも報酬額は書きません。

書けるのは、額を左右するものが依頼の範囲だという点です。

相談だけなのか、書類の作成まで頼むのか、相続人との交渉や登記申請まで任せるのかで、同じ「相続の相談」でも仕事量が何倍も違います。

見積もりを取るときは、金額を聞く前に頼む範囲を紙に書き出してください。

範囲を揃えないまま2社の金額を比べても、安いほうが得だとは限りません。

前払い金は使う前に渡すお金

身元保証や葬儀の生前契約で求められる預託金は、支払った時点ではまだ何のサービスも受けていません。

10年先、20年先に使われる約束を買っている状態です。

ここが報酬といちばん違う点で、額の妥当性よりも、その間お金がどこに置かれるかが問題になります。

預託金の考え方は身元保証サービスの費用と預託金の確認点で解説しています。

終活の費用を動かすのは、実家とお墓と相続人の数

同じ「終活」でも、人によって総額が一桁違います。

差が出るのは本人の性格や熱心さではなく、抱えている財産と家族の形です。

自分の場合いくらになるかを見積もるには、次の3つを先に確かめてください。

実家があるかどうか

持ち家があると、費用の構造が変わります。

名義変更の登録免許税と司法書士への報酬が発生し、住まなくなった家を片づけて売るなら、家財の処分費と仲介手数料も乗ります。

片づけの費用は床面積よりも残っている物の量で動き、エレベーターの無い集合住宅の上層階や、トラックを家の前に停められない立地では搬出の人手が増えます。

内訳の分け方は実家じまいの費用の内訳で解説しています。

賃貸暮らしで不動産を持っていない場合、この項目はまるごと消えます。代わりに、退去時の原状回復と家財の処分を誰がやるのかという問題が残ります。

お墓をどうするか

先祖の墓を引き継ぐのか、新しく受け入れ先を用意するのかで支出が変わります。新しく買う場合の平均購入価格は、樹木葬が71.7万円、納骨堂が81.5万円、一般墓が152.0万円です(鎌倉新書 第17回お墓の消費者全国実態調査/2026年1月時点)。

すでにある墓から遺骨を移すなら、墓石の撤去費と受け入れ先の費用が別に必要です。

手続きの面では、現在の墓地がある市区町村が出す改葬許可証が要ります。

申請には受け入れ先の受入証明書と、今の墓地管理者の埋葬証明書を添えるため、移す先が決まるまで申請そのものができません。

永代供養を選ぶときは、個別に安置される年数と、そのあと合祀(ごうし)されると遺骨を取り出せなくなることを規約で確認してください。

相続人が何人いるか

相続人の数は、実費と手間の両方に効きます。

戸籍を取り寄せる通数が増え、遺産分割の話し合いに参加する人が増え、書類に押す実印の数も増えます。

遠方に住む兄弟がいれば郵送と往復の時間もかかります。

税金の側では逆に働きます。

相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数なので、相続人が3人なら4,800万円です。

ここを超えなければ申告そのものが不要になり、税理士に頼む必要もなくなります。

財産の合計がこの線に近いかどうかで、専門家に払う費用の見通しが変わります。

見積書に出てこない費目と、削ると後で高くつく費目

追加請求でもめるのは、たいてい実費と現場の条件です。契約前に確かめる項目と、値段を下げないほうがいい項目を分けて書きます。

見積書の外に置かれやすいもの

「費用一式」の見積もりを受け取ったら、次の費目が含まれているかを1つずつ聞いてください。含まれていないなら、自分で払う前提で予算に足します。

  • 戸籍謄本・住民票・登記事項証明書などの取得費と郵送料
  • 登録免許税や収入印紙のような、国に納める実費
  • 専門家が現地や窓口へ出向く交通費と日当
  • 相談の回数制限を超えた分の追加料金
  • 遺品整理での、エレベーター無しの階数加算・搬出距離の加算・家電リサイクル料金

遺品整理の見積もりは、電話だけの概算と現地を見た後の金額が開きやすい費目です。

訪問して部屋を見てもらい、費目ごとの内訳を書いた見積書を出してもらってください。

総額だけを口頭で伝えてくる相手だと、当日の追加分が妥当かどうかを後から検証できません。

削ると後で高くつくもの

安いほうを選んだ結果、家族が余分な手続きを踏むことになる費目があります。

代表は遺言書の形式です。

自筆で書いて自宅にしまっておけば費用はかかりませんが、自筆証書遺言と秘密証書遺言は家庭裁判所の検認が必要で、封を開けずに持ち込むことになります。

公正証書遺言か、法務局の保管制度を使った自筆証書遺言なら検認が不要です。

1件3,900円の保管手数料は、この手間を家族に渡さないための費用だと考えてください。

もう1つは、不用品を運ぶ業者の選び方です。

家庭から出た物を運んで処分するには市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が要り、買い取るなら都道府県公安委員会の古物商許可が必要です。

産業廃棄物の許可だけでは家庭ごみを運べません。

「無料回収」を名乗るトラックはこの許可を持たないことが多く、不法投棄された場合に依頼した側が問われることもあります。

許可番号を会社名とあわせて控えておけば、後から照会できます。

遺品整理士は民間資格で、これがあれば廃棄物を運べるわけではないため、許可の有無とは別に見てください。

前払い金は誰が預かるのか|終活サービスの契約前に確かめること

身元保証や葬儀の生前契約は、契約してから実際に使うまでに10年以上空くことがあります。

その間に事業者の経営が傾けば、預けたお金は戻らないおそれがあります。

倒産して預託金が返ってこなかった例は身元保証サービスのトラブルと預託金の行方で解説しています。

確かめるのは、金額の安さではなく次の点です。

  • 預託金が事業者の運転資金と分けて管理されているか。信託銀行への信託や、第三者による保全の仕組みがあるか
  • 解約したときに、いくら戻るのか。返還しない部分と、その計算方法が契約書に書かれているか
  • 約束されたサービスの範囲。入院時の付き添い、施設の入居手続き、死後の事務のどこまでが含まれるのか
  • サービスが実行されたかどうかを、誰が確認して記録するのか

4つ目は見落としやすい点です。

本人が亡くなった後に履行される契約は、本人が結果を確かめられません。

家族や第三者が内容を見られる形になっているかで、後の争いが減ります。

団体名からは運営主体が分からない

終活のサービスは「協議会」「協会」「センター」といった名前を掲げていることが多く、名称だけでは公的機関かどうかも、営利法人かどうかも判断できません。

法人格・所在地・代表者・設立年を公式サイトで確認し、料金表がサービスの範囲とセットで公開されているかを見てください。

範囲の記載が無い料金表は、他社と比べても意味を持ちません。

相談先の種類そのものを迷っている段階なら、有料のサービスを探す前に無料で使える窓口があります。窓口ごとの得意分野は終活の相談窓口ごとの違いと選び方で解説しています。

終活の費用は誰が払うのか|法テラスの無料相談と葬祭費

生前の準備にかかるお金は、原則として本人が本人の財産から払います。

子が立て替えると、後の遺産分割で「立て替えた分を先に返してほしい」という話になり、領収書が無いと証明できません。

本人の判断力があるうちに、本人名義で契約して本人の口座から引き落とす形にしておくと、この面倒が起きません。

亡くなった後の費用は相続財産から支払うのが基本ですが、相続放棄を考えている人は扱いが変わります。

相続財産を使うと単純承認したとみなされ、放棄できなくなるおそれがあります。

放棄の申述は、自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内です。

起算日は亡くなった日ではありません。

判断がつかない間は、故人の口座からの入出金を止めておきます。

法テラスの無料相談が使える収入の基準

相続でもめている、遺言の内容に納得できないといった法律問題なら、法テラスの無料法律相談を使えます。

同一の問題について3回まで、1回30分です。

利用には、収入と資産が資力基準以下であること、勝訴の見込みがないとはいえないこと、民事法律扶助の趣旨に適することの3つを満たす必要があります。

収入と資産の基準は、2026年9月時点で法テラスが公表しているものが次の額です。

人数一級地(東京都特別区・大阪市など)その他の地域
1人月収200,200円以下/資産180万円以下月収182,000円以下/資産180万円以下
2人月収276,100円以下/資産250万円以下月収251,000円以下/資産250万円以下
3人月収299,200円以下/資産270万円以下月収272,000円以下/資産270万円以下
4人月収328,900円以下/資産300万円以下月収299,000円以下/資産300万円以下

5人以上の場合、1人増えるごとに一級地は33,000円、その他の地域は30,000円を加算します。

家賃や住宅ローン、医療費、教育費の負担がある場合は、基準額を超えていても利用できることがあります。

自分の収入で使えるかどうかは、法テラスの窓口で確認してください。

資力基準を満たすなら、弁護士・司法書士の費用を法テラスが立て替え、原則として月々分割で返していく制度(代理援助・書類作成援助)もあります。費用が出せないから相談を諦めるのではなく、この立替が使えるかを聞くほうが先です。

亡くなった後に請求できる給付

健康保険の被保険者が亡くなったときの埋葬料は、一律5万円です。

国民健康保険や後期高齢者医療の加入者が亡くなったときの葬祭費は、市区町村の条例で額が決まっているため、金額はお住まいの市区町村の窓口で確認してください。

どちらも申請しないと支給されません。

自治体によっては、空き家の解体や片づけに補助を出しているところもあります。内容も期限も自治体ごとに違うので、実家のある市区町村の担当課に問い合わせてください。

よくある質問

終活の相談を無料で受けられる窓口はありますか

法律問題なら法テラスの無料法律相談が、同一の問題につき3回まで、1回30分で使えます。

ただし収入と資産の基準を満たすことが条件です。

このほか、市区町村や社会福祉協議会が弁護士や司法書士による無料相談日を設けている場合があります。

手続きの入口を知りたいだけの段階なら、まず自治体の広報や窓口で相談日の有無を確認してください。

「協議会」や「協会」という名前なら公的な機関ですか

名称からは運営主体が分かりません。

公的機関とは限らず、営利目的の法人が運営している場合もあります。

法人格・所在地・代表者・設立年を公式サイトで確認し、料金がどのサービス範囲に対応するのかを書面で受け取ってください。

範囲の記載が無い料金表では、他の事業者と比較できません。

前払い金を払った後で解約したら、お金は戻りますか

返還の有無と計算方法は契約書の定めによります。

契約時に、解約時の返還額・返還しない部分・手数料が明記されているかを確認してください。

明記が無ければ、その条項を書面にしてもらってから契約します。

すでに支払った後で事業者と話がつかない場合は、消費生活センターに相談できます。

専門家に払う報酬の相場を教えてもらえますか

弁護士・司法書士・税理士の報酬は各事務所が決めており、公表された相場がありません。

この記事でも金額は出していません。

比較したいなら、頼む範囲(相談のみ・書類作成・交渉・登記申請)を揃えて2〜3か所から見積もりを取ってください。

実費と報酬を分けて記載してもらうと、差額がどこで生じているのかが分かります。

訪問してきた業者に貴金属を売ってしまいました。取り消せますか

業者が自宅を訪問して物品を買い取る「訪問購入」は、契約書面を受け取った日から8日間クーリング・オフできます。

その間は物品の引き渡しを拒めます。

すでに渡してしまった場合も、期間内であれば書面で解除を通知してください。

契約書面を受け取っていないときは、業者名と訪問日を控えて消費生活センターに相談します。

まとめ

終活の費用は、法令で決まっている実費、依頼先が決める報酬、使う前に預ける前払い金に分けて考えると、どこを比べればいいかが決まります。

実費は自分で足し算でき、報酬は頼む範囲を揃えて見積もりを取るしかありません。

前払い金だけは、額よりも預け先と解約条件のほうを先に確かめてください。

総額を左右するのは実家の有無、お墓の受け入れ先、相続人の数です。

どれも先に事実を確かめれば見通しが立ちます。

何から手をつけるかで止まっているなら、終活の準備リストと手をつける順番で解説しています。

ぜひ本記事の実費・報酬・前払い金の分け方と、見積書の外に置かれやすい費目のリストを手元に置いて、受け取った見積もりを1行ずつ確かめてみてください。

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