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エンディングノートはいつから書く?始める年齢の目安

エンディングノートはいつから書く?始める年齢の目安

買ってきたエンディングノートの1ページ目が、本籍地と血液型の記入欄で止まります。

ここは後回しにして構いません。

最初に書くのは、預金口座・保険・年金がどこにあるかという置き場所の一覧です。

金額は要りません。

残高は動きますし、家族が行き詰まるのは金額を知らないことではなく、口座があること自体を知らないままになる点です。

始める年齢に法律上の決まりはなく、年金の受け取りが始まった、入院した、親を見送ったというように手続きが増えた時期が、書き始める合図になります。

本記事では、最初に埋める3項目・書き始める合図になる出来事・遺言書と役割が分かれる部分・途中で止まったときの戻り方を解説します。

エンディングノートは最初の3項目だけで形になる

全項目を埋めようとすると、ほぼ確実に途中で止まります。

市販のノートは50〜100項目ほどの欄があり、その大半は後から足せるものです。

先に決めておくのは、家族が手を動かせなくなる部分だけで足ります。

順番書くことここまで書けたら次へ
1預金・保険・年金・借入の置き場所金融機関名と支店名、保険会社名が並んだ状態
2医療と介護の希望、判断を任せたい人任せたい人の名前と連絡先が1人分書けた状態
3連絡してほしい人思いつく範囲の名前と連絡先が書けた状態
4ノートの保管場所を家族に伝える家族の誰か1人が置き場所を知っている
以降葬儀・お墓・デジタル契約・ペットなどを追記期限なし。思い出したときに足す

1から3までは、資料さえ手元にあれば座って書ける内容です。

逆に、財産の分け方や葬儀の形式は家族と話してからでないと決まりません。

先に書けるものから埋めてください。

置き場所のリストが最初に来る理由

金融機関は、名義人が亡くなったことを知ると口座を凍結します。

相続の手続きでは、どの銀行にいくつ口座があるかを相続人が調べるところから始まります。

通帳が見つからない口座や、紙の通知が来ないネット銀行は、家族が存在を知らないまま残ります。

反対に、銀行名と支店名さえ書いてあれば、残高は家族が窓口で照会できます。

金額を書き込む欄があっても空欄のままでかまいません。

借入とローン、それに誰かの保証人になっているかどうかも同じ枠で書いておきます。

ここが空白だと、家族は借金があるかどうか分からないまま3か月の判断を迫られます。

項目ごとの書き方はエンディングノートに書くべき項目と役割で解説しています。

エンディングノートを始める年齢の目安は、誕生日より手続きが増えた日

「何歳になったら書く」という基準はどこにもありません。実際に書き始める合図になるのは、年齢よりも次のような出来事です。

  • 退職して、給与振込に使っていた口座の役目が変わった
  • 年金の受け取りが始まった
  • 入院や手術を経験した
  • 親や配偶者を見送り、手続きの多さを自分で体験した
  • 引っ越しや家の建て替えで、書類の置き場所が変わった

このうち影響が大きいのは、親を見送った経験です。

除籍謄本を集めて金融機関を回った人は、何が分からなくて止まったかを知っています。

その記憶があるうちに自分の分を書くと、手が早く動きます。

書く時期に期限はないが、家族の手続きには期限がある

ノート自体に提出先も締切もありません。ただし、書かれていなかったときに家族が背負う期限は法律で決まっています。

手続き期限起算日
死亡届7日以内死亡の事実を知った日
年金の受給停止厚生年金10日以内/国民年金14日以内死亡日
相続放棄・限定承認3か月以内自己のために相続の開始があったことを知った時
準確定申告4か月以内相続の開始を知った日の翌日
相続税の申告・納付10か月以内相続の開始を知った日の翌日
相続登記3年以内不動産を取得したことを知った日

とくに相続放棄の3か月は、借入の有無が分からないと判断できません。

起算日は亡くなった日ではなく、自分が相続人だと知った時です。

葬儀と四十九日で1か月半が過ぎ、そこから金融機関に問い合わせを始めると残りは限られます。

借入とローンの欄が1行埋まっているだけで、この判断にかかる時間が変わります。

判断能力が落ちてからでは書き出せない

ノートに書ける情報は、ほとんどが本人の頭の中にしかありません。

どの銀行に口座を作ったか、どの保険に入っていたか、家の権利証をどこへしまったか。

認知症などで判断能力が落ちると、家族が本人に聞いても答えが出なくなります。

成年後見人を立てても、後見人は本人の記憶を取り出せるわけではありません。

年齢の目安を探している段階なら、その時点が書き始めに向いています。

終活全体の順番は終活とは?何から始めるかの順番で解説しています。

エンディングノートに書き写す前に集める資料

記憶だけで書くと必ず抜けます。先に現物を集めてから、ノートには「何が、どこにあるか」を転記してください。

お金まわりで集めるもの

  • 預金通帳とキャッシュカード(通帳のない銀行は、アプリやログイン画面のスクリーンショット)
  • 保険証券(生命保険・医療保険・火災保険・共済)
  • 年金手帳または基礎年金番号通知書、ねんきん定期便
  • 証券会社の取引報告書
  • 住宅ローンやカードローンの契約書、返済予定表
  • クレジットカードと、毎月引き落としのあるサブスクリプション契約

ノートに書くのは、金融機関名・支店名・口座の種類・おおよその用途までです。

暗証番号とパスワードは書きません。

ノートは家族が見つけやすい場所に置くもので、他人が手に取る可能性も同じだけあります。

ネット銀行やネット証券は、口座があることさえ分かれば、相続人が書面で照会できます。

不動産と、名義まわりで集めるもの

自宅や実家の土地建物は、固定資産税の納税通知書と、法務局で取れる登記事項証明書を手元に置いてから書きます。

納税通知書には所在地と評価額が載っており、登記事項証明書では名義人を確認できます。

親から相続したまま名義を変えていない土地が混じっていることがあり、その場合は相続登記の3年ルールの対象になります。

手数料と請求方法は改定されることがあるため、法務局の窓口か公式サイトで現行の扱いを確認してください。

医療・介護と、連絡先で集めるもの

健康保険証、介護保険被保険者証、お薬手帳、かかりつけ医の診察券をそろえます。

書くのは、持病と服用している薬、通っている病院、延命治療や胃ろうについての希望、そして自分で判断できなくなったときに誰に決めてほしいかです。

この「決めてほしい人」を1人決めておくと、家族の間で意見が割れたときに話が前へ進みます。

連絡してほしい人のリストは、住所録を写す必要はありません。

年賀状のやり取りしかない相手まで含めると手が止まります。

訃報を知らせたい相手と、知らせなくてよい相手を分ける発想で十分です。

エンディングノートに書いても効力がないこと|遺言書との役割分担

ノートに「自宅は長男に」と書いても、そのとおりに分けられるわけではありません。

遺産の分け方を法的に決められるのは、民法の方式に従った遺言書だけです。

ノートの記載は、相続人が話し合うときの参考にはなりますが、全員が同意しなければ拘束力を持ちません。

分け方に譲れない希望があるなら、遺言書を別に作る場面です。

書く先向いている内容
エンディングノート財産の置き場所、医療と介護の希望、連絡先、葬儀やお墓の希望、家族への言葉
遺言書誰にどの財産を渡すか、遺言執行者の指定、認知など身分に関すること

ノートの財産リストは、そのまま財産目録の下書きになる

自筆証書遺言は本文を全文自筆で書く決まりですが、2019年1月13日から、添付する財産目録はパソコン作成や通帳のコピーでよくなりました。

ただし各ページに署名押印が要ります。

ノートで作った置き場所の一覧は、この目録の元データになります。

二度手間にはなりません。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は、家庭裁判所の検認を受けるまで封を開けられません。

これに対して公正証書遺言と、法務局の自筆証書遺言書保管制度を使ったものは検認が不要です。

保管制度は2020年7月10日に始まり、保管申請の手数料は1件3,900円です(法務省 遺言書保管所/2026年9月時点)。

家族の手間を減らす観点では、この2つのどちらかを選ぶ形になります。

お墓と仏壇は、相続財産とは別枠で決まる

墓・仏壇・位牌などの祭祀(さいし)財産は、預金や不動産のように分けるものではなく、1人が引き継ぎます。

引き継ぐ人の指定がなければ慣習により、それでも決まらなければ家庭裁判所が定めます。

ノートに「お墓は誰に見てほしいか」と、その理由を書いておくと、本人の意向を示す手がかりとして家族が判断できます。

相続放棄をした人でも、祭祀を引き継ぐことはできます。

書き始めてから止まりやすい場所と、書き直しの扱い

止まる場所はだいたい決まっています。

1ページ目の基本情報、財産の金額欄、そして家族へのメッセージ欄の3か所です。

基本情報は飛ばして構いません。

金額は書かずに置き場所だけにします。

メッセージ欄は、埋めないまま何年も置いてある人もいます。

空欄があってもノートとしては機能します。

保管場所で失敗すると、書いた意味がなくなる

貸金庫に入れると、相続開始後に開けるまで手続きが要り、いちばん必要な時期に読めません。

家庭用の金庫も、鍵と暗証番号の在りかを誰も知らないと同じことになります。

仏壇の引き出しや机の決まった段など、家族が思いつく場所に置き、少なくとも1人にその場所を伝えてください。

伝えるのは中身ではなく置き場所だけで足ります。

スマートフォンのメモアプリやパソコンのファイルに書く場合は、端末のロックが問題になります。本体を開けなければ読めない状態なら、紙に1枚だけ「データはここにある」と書いて残しておく形にします。

気が変わったときは上書きでよい

ノートには訂正のルールがありません。

鉛筆で書いても、線を引いて書き直しても効力に影響しません。

1か所だけ決めておくとよいのは、表紙か最初のページに「最終更新日」の行を作ることです。

日付が新しければ、家族は最後に書かれた内容を本人の意思として読めます。

見直しのきっかけは、口座の解約、引っ越し、入院、家族構成の変化です。

何も変化がなければ、年に1回開くだけで足ります。

書き込む欄の使いやすさで続くかどうかが変わるため、最初の1冊は分量の少ないものから試す選び方もあります。

市販品と無料配布の違いはエンディングノートの配布先と入手方法、書きやすさで比べる視点はエンディングノートの選び方で解説しています。

自分で書くか、窓口や専門家に手伝ってもらうか

ノートそのものは、誰かに頼む作業ではありません。

書ける内容は本人の頭の中にあるものだけで、専門家が代わりに思い出すことはできません。

費用をかける価値があるのは、ノートの先にある手続きのほうです。

  • 遺産の分け方に希望がある場合は、遺言書の作成(公正証書にするなら公証役場、自筆で書いて法務局に預けるなら保管制度)
  • 相続税がかかりそうな場合は、税理士による試算
  • 判断能力が落ちたあとの財産管理を頼みたい場合は、任意後見契約

相続税については、基礎控除が3,000万円+600万円×法定相続人の数です。

相続人が3人なら4,800万円までは申告そのものが不要になります。

この線を超えそうかどうかで、税理士に相談する段階かが変わります。

判定の考え方は相続税は誰にかかるかで解説しています。

始める年齢を決めかねているうちは、エンディングノート(Web版)で書ける項目だけ埋めておく形でも構いません。

親に書いてもらう場合は、1項目だけ頼む

子の側から切り出すときに、ノートを1冊渡して「書いておいて」と言うと、たいてい引き出しにしまわれます。

頼むのは1項目だけにしてください。

「銀行はどこを使ってる?」「火災保険はどこの会社?」という具体的な質問なら、答えが返ってきます。

返ってきた答えを子がメモして、親に見せて確認してもらう進め方もあります。

無料配布のノートを自治体の窓口でもらってきて、机に置いておくだけで動き出すこともあります。

誰に相談できるかは終活の相談窓口ごとの違いで解説しています。

よくある質問

エンディングノートは何歳から書き始めるものですか

年齢の決まりはありません。

退職、年金の受給開始、入院、親の見送りといった、契約や手続きが動いた時期が書き始める合図になります。

判断能力が落ちてからでは書けない内容が中心なので、迷っている段階で1項目だけ埋めておく方法もあります。

途中で気持ちが変わったら、書いたことは取り消せますか

取り消せます。

ノートに訂正の方式は定められていないため、線を引いて書き直しても、ページごと差し替えても問題ありません。

最終更新日を書いておけば、家族は最後の記載を読みます。

エンディングノートに分け方を書けば、そのとおりに相続してもらえますか

そうはなりません。

遺産の分け方に法的な効力を持たせるには、民法の方式に従った遺言書が要ります。

ノートの記載は相続人の話し合いの材料にはなりますが、全員が同意しなければ従う義務はありません。

暗証番号やネット銀行のパスワードは書いてもいいですか

書かないでください。

ノートは家族が見つけられる場所に置くもので、それは第三者の目にも触れうる場所です。

金融機関名と口座の存在が分かれば、相続人は正規の手続きで残高照会と解約ができます。

ノートはどこに保管すればいいですか

貸金庫と施錠した金庫は避けてください。

必要な時期に開けられず、中身が読まれません。

仏壇の引き出しや書斎の決まった段など、家族が探しそうな場所に置き、少なくとも1人に置き場所を伝えておきます。

親が嫌がるときは、無理に書いてもらうべきですか

ノート全体を頼むのではなく、口座のある金融機関や火災保険の会社名など、事実の確認から始める方法があります。答えを子がメモして親に確認してもらう形でも、家族が困る部分は埋まります。

まとめ

エンディングノートを始める時期に、年齢の基準はありません。

書き始める合図になるのは、退職や入院、親を見送ったといった手続きが動いた出来事のほうです。

最初に埋めるのは、預金と保険と借入の置き場所、医療と介護の判断を任せたい人、連絡してほしい人の3項目だけで足ります。

残りは思い出したときに足していけます。

分け方の希望や祭祀を継ぐ人の指定まで踏み込むなら、ノートとは別に遺言書を用意する段階です。ぜひ本記事の4段階の順番と、集める資料のリストを参考に、まずは通帳と保険証券を机に出すところから始めてください。

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