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葬儀代は何にいくらかかる?内訳を項目別にまとめて解説

葬儀代は何にいくらかかる?内訳を項目別にまとめて解説

葬儀代は、葬儀社への支払いと、飲食や返礼品の実費、それに寺院へのお布施に分かれます。全国平均は96.73万円ですが(鎌倉新書 第7回お葬式に関する全国調査/2026年3月時点)、見積書に載るのは最初の1つだけです。

病院で紹介された葬儀社に金額を尋ねても、返ってくるのは総額の目安です。

残りの2つは参列する人数と宗派で動くため、その場では出せません。

逆に言えば、区切りが分かっていればどこを削れるかも自分で決められます。

本記事では、葬儀代の3つの区分・形式別の平均額・金額を動かす人数と日数・葬祭費と埋葬料の差し引きを解説します。

葬儀代は、葬儀社・飲食と返礼品・寺院の3か所に分かれて払う

葬儀代という一語で呼びますが、支払い先は1か所ではありません。

請求書が来る相手も、金額が確定する時期も違います。

見積書を1枚受け取っただけで総額を把握したつもりになると、あとから残り2つが積み上がります。

葬儀社の見積書に載る範囲

葬儀社と契約して払うのは、式を成立させるための設備と人手の代金です。おおまかに次のものが入ります。

  • 祭壇・棺・遺影・骨壺などの物品
  • 病院からの搬送と、火葬場までの霊柩車
  • 遺体の安置とドライアイスなどの保全
  • 式場の使用料と、通夜・葬儀の運営にあたるスタッフの人件費
  • 火葬料と、火葬場の待合室の使用料

「葬儀一式」とだけ書かれた見積書では、このうちどれが含まれているのか判断できません。火葬料は火葬場ごとに設定されているので、金額はお住まいの市区町村の窓口か火葬場に確認してください。

飲食と返礼品は人数が決まるまで確定しない

通夜のあとの料理と、参列者に渡す返礼品は、単価に人数を掛けた実費です。

契約の段階では人数が読めないため、見積書には仮の人数で入っているか、そもそも入っていません。

最終請求で膨らむのはほぼこの部分です。

寺院へのお布施も、葬儀社の見積書には原則として含まれません。

読経や戒名に対して寺院へ直接渡すお金で、葬儀社が金額を決められる立場にないからです。

この3つを別の紙に分けて書き出すところから始めてください。

平均96.73万円|形式を変えると総額は半分近くまで下がる

鎌倉新書の第7回お葬式に関する全国調査では、葬儀にかかった費用の平均は96.73万円でした(2026年3月時点)。

直近2年以内に喪主または喪主に準ずる立場を経験した、全国の40歳以上2,000人への調査です。

形式別に見ると、金額の幅がはっきりします。

形式平均額
一般葬122.01万円
家族葬96.39万円
一日葬74.43万円
直葬・火葬式49.56万円
全体の平均96.73万円

一般葬と直葬の差は72万円あまりです。

同じ調査では家族葬を選んだ人が47.0%で最も多く、形式の選択がそのまま総額を左右していることが読めます。

祭壇の大きさや棺の材質を一段落とすよりも、どの形式にするかを決めるほうが金額は大きく動きます。

ただし、この平均は総額です。

何にいくら払ったかの内訳はこの調査から確認できないため、飲食費やお布施が含まれているかどうかも分かりません。

平均額は予算の見当をつける材料にはなりますが、自分の家の金額にはなりません。

形式ごとの比べ方は葬儀費用の平均と形式別の相場で解説しています。

呼ぶ範囲から決めたい場合は家族葬の呼ぶ範囲の決め方のほうが先に読む価値があります。

葬儀社に払う葬儀代を動かすのは、人数・日数・安置日数

同じ葬儀社に同じ形式を頼んでも、家によって金額が変わります。

動かしている変数は多くありません。

見積書を比べるときは、この3つが何人・何日で計算されているかを確認してください。

参列人数で式場と物品が連動する

人数が増えれば広い式場が必要になり、椅子や受付の設営も増えます。

返礼品と料理の数も比例します。

逆に10人程度で収まるなら、小さな式場や自宅で足りることもあります。

見積書の人数が実際より多く設定されていれば、そこを直すだけで総額が下がります。

式を何日にするかで人件費が変わる

通夜と葬儀・告別式を行う一般葬や家族葬は2日、通夜を省く一日葬は1日です。

直葬は式そのものを行いません。

日数が減れば式場の使用料もスタッフの拘束時間も減るため、平均額でも一日葬と家族葬で20万円以上の開きが出ています。

親族が遠方から来る場合は宿泊の有無も変わるので、家族の負担という面でも日数は判断材料になります。

安置日数は自分で決められない

火葬は、死亡または死産の時から24時間を経過した後でなければ行えません(墓地、埋葬等に関する法律3条)。

さらに火葬場の予約が取れるまで待つことになり、地域や時期によっては数日かかります。

その間、遺体を安置する施設の使用料とドライアイスの費用が日数単位で加算されます。

ここが見積書といちばんずれる項目です。

契約時は1日分で計算されていても、火葬が3日後になれば2日分が足されます。

安置料が1日いくらで、何日分が入っているのかを契約前に聞いておいてください。

搬送距離も同じで、病院から安置施設、安置施設から式場、式場から火葬場と、それぞれ加算の対象になることがあります。

飲食と返礼品は、呼ぶ範囲を決めた時点で金額が決まる

料理と返礼品は単価×人数の実費なので、値引きの余地がほとんどありません。

金額を決めているのは単価ではなく、誰を呼ぶかという判断です。

会社関係と近隣を呼ぶかどうかで、参列者は十数人から数十人まで変わります。

注意したいのは、参列者を減らすと香典として入る分も同時に減ることです。

一般葬から家族葬へ切り替えると飲食と返礼品は確実に下がりますが、手元に残る金額まで同じように軽くなるとは限りません。

持ち出しで比べるなら、支出と香典の両方を動かして考えてください。

返礼品は予備を含めて発注するのが通常です。

余った分を返品できるのか、開封していなければ引き取ってもらえるのかは業者ごとに違います。

料理も追加注文の締切がいつかによって、当日の判断の幅が変わります。

この2点は契約書に書かれていないことが多いため、口頭で確認して日付とともにメモを残しておくと後で揉めません。

お布施は見積書に載らない|菩提寺へ確認する順番

お布施は読経や戒名に対して寺院へ渡すもので、葬儀社が金額を決める立場にありません。

そのため見積書には計上されず、総額の外に置かれます。

ここを忘れて予算を組むと、式の直前に足りなくなります。

先祖の墓がある寺院(菩提寺(ぼだいじ))があるなら、金額はその寺に聞くしかありません。

地域や寺院によって考え方が違い、相場として断定できる公的な統計はありません。

聞きにくいと感じる人が多い項目ですが、「檀家のみなさまにはどのくらいでお願いしているか」という尋ね方で答えてもらえることがあります。

順番として大事なのは、菩提寺への連絡を葬儀社の手配より先にすることです。

菩提寺があるのに別の僧侶に読経を依頼すると、その後の納骨や法要で話がこじれることがあります。

寺院の墓に納める予定なら、危険を避ける意味でも先に一報を入れてください。

菩提寺がない場合は葬儀社が僧侶を紹介する形になり、金額が定額で示されることもあります。

納骨先をまだ決めていない場合は、お布施の考え方そのものが変わります。寺院と檀家の関係を持たない形を選ぶなら永代供養の種類と向いている人で解説している選択肢も含めて、生前のうちに比べておくほうが判断しやすくなります。

葬儀代から差し引ける葬祭費と埋葬料

公的医療保険から、葬儀に対する給付が出ます。

自動では振り込まれず、申請しなければ受け取れません。

総額から差し引ける分なので、予算を組むときに計算に入れてください。

亡くなった人が会社員などで健康保険に加入していた場合は、埋葬料として一律5万円が支給されます(健康保険法100条)。

一方、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合は葬祭費が支給され、こちらは市区町村の条例で額が決まるため地域によって違います。

金額を知りたい場合は、お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口で確認してください。

どちらが出るかは、亡くなった人が加入していた制度で決まります。

両方を重ねて受け取る形にはなりません。

申請先も違い、健康保険は勤務先を通じて健康保険組合や協会けんぽへ、国民健康保険と後期高齢者医療は市区町村の窓口へ出します。

申請には葬儀を行ったことが分かる書類が求められます。

領収書や会葬礼状の扱いは保険者によって違うので、葬儀社に支払った領収書は名義を確認したうえで保管しておいてください。

申請できる期間にも定めがあります。

必要書類と期限の確認のしかたは葬祭費・埋葬料の申請手続きで解説しています。

葬儀代を誰が払うか|喪主の立て替えと故人の預金

葬儀社と契約するのは喪主なので、請求書は喪主に届きます。

ただし、喪主が最終的に全額を負担しなければならないという法律上の決まりはありません。

兄弟で分担する、相続財産から精算する、香典を充てるといった扱いが実務では行われています。

ここで気をつけるのは故人の預金です。

金融機関が死亡を把握すると口座の入出金は止まります。

葬儀代に充てるつもりで事前に引き出す人もいますが、相続財産に手を付けた事実は後の遺産分割で説明を求められます。

何にいくら使ったかを領収書とともに残しておいてください。

相続放棄を考えている場合は話が変わります。

相続財産を使うと単純承認をしたものとみなされ、放棄が認められなくなることがあります。

放棄の申述は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ行います(民法915条)。

起算日は亡くなった日ではありません。

借金の存在が分かっている段階なら、預金には触れずに弁護士か司法書士に相談する段階です。

分担するなら、葬儀が終わってから話すより先に決めておくほうが早く済みます。

兄弟が複数いる家では、誰が喪主になり、誰がいくら出すのかを親が元気なうちに共有しておくと、精算のときに感情の話になりません。

負担の分け方は葬儀代を誰が払うかの考え方で解説しています。

亡くなる前に決められることが、葬儀代のほとんどを決める

ここまで見た変数のうち、形式・参列人数・葬儀社は、すべて生前に決められます。決めずに迎えると、病院で搬送を急かされた状態で数十万円の判断をすることになります。

病院で紹介された葬儀社は、その場で断ってよい

病院は遺体を長く置けないため、提携している葬儀社を案内します。

案内を受けても、その場で契約する義務はありません。

搬送だけを頼んで、式の内容は後日決めるという分け方もできます。

断ることが失礼になる場面ではないので、決めていない場合は「他社にも相談しているので搬送先だけお願いします」と伝えてください。

生前見積もりは、3つの区分に分けて出してもらう

葬儀社の多くは生前相談と事前見積もりに応じています。

依頼するときは総額ではなく、葬儀社に払う分・飲食と返礼品・お布施の3つに分けて記載してもらってください。

飲食と返礼品は何人で計算したのか、安置料は何日分かまで書かれていれば、他社の見積書と並べて比べられます。

比べる社数は2〜3社で足ります。

同じ人数・同じ日数の条件を伝えて出してもらわないと、安く見える見積書が単に含みの少ない見積書だったという結果になります。

段取りの全体像は葬儀の生前準備で決めておくことで解説しています。

支払いの原資を、口座とは別に用意する

葬儀代の請求は、葬儀の後おおむね数日から2週間程度で届きます。

故人の口座が止まっている時期と重なるため、誰かが立て替える形になりがちです。

手元の現金や喪主名義の口座で用意しておくか、葬儀費用を目的とした保険や互助会の積立を使う方法もあります。

積立は解約の条件や、その葬儀社以外で使えるかどうかが契約ごとに違うので、契約書の条項を読んでから決めてください。

保険と互助会の違いは葬儀代に備える保険と互助会の比べ方で解説しています。

希望する形式と、連絡すべき親族の範囲を書き残しておくと、残された家族は人数を決められます。書く項目の並べ方はエンディングノートに書く項目で解説しています。

よくある質問

平均96.73万円には、お布施も含まれていますか

この調査から内訳は確認できません。

鎌倉新書の第7回お葬式に関する全国調査で公表されているのは、形式別を含めた総額の平均です(2026年3月時点)。

何が含まれた金額なのかが分からないため、予算を立てるときは自分で3つの区分に分けて見積もり直してください。

家族葬にすれば葬儀代は必ず下がりますか

平均額で見ると一般葬122.01万円に対し家族葬96.39万円なので、下がる方向に働きます。

ただし下がるのは主に飲食と返礼品で、祭壇や安置、火葬料はあまり変わりません。

参列者が減れば香典も減るため、持ち出しの額では思ったほど差が出ないこともあります。

見積書が「葬儀一式」だけの場合、何を確認すればいいですか

確認するのは次の4点です。

  • 飲食と返礼品が何人分で計算されているか
  • 安置料とドライアイスが何日分入っているか
  • 火葬料と式場使用料が含まれているか
  • 搬送距離の上限と、超えた場合の加算額

この4点が書かれていない見積書は、他社と比べる材料になりません。追記してもらってください。

故人の預金から葬儀代を払っても問題ありませんか

相続人全員が了解していて、使途の記録が残っているなら、実務では葬儀代を精算する例があります。

ただし金融機関が死亡を把握すると口座は止まります。

また、相続放棄を検討している場合は、相続財産を使ったことで単純承認とみなされ放棄できなくなるおそれがあります。

借金の有無が分からない段階では、預金に触れる前に確認してください。

葬祭費と埋葬料は両方受け取れますか

どちらが支給されるかは、亡くなった人が加入していた医療保険で決まります。

健康保険の被保険者なら埋葬料として一律5万円、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者なら市区町村が定める葬祭費です。

重ねて受け取る形にはなりません。

申請しないと支給されない点は共通です。

生前に葬儀社と契約しておくと葬儀代は変わりますか

契約の形によります。

金額を固定する事前契約もありますが、安置日数や参列人数のように亡くなった後でしか確定しない項目は、実費として後から精算されるのが通常です。

契約時に固定される項目と、実費精算になる項目を書面で分けて確認しておいてください。

まとめ

葬儀代は、葬儀社への支払いと、飲食や返礼品の実費、それに寺院へのお布施という3か所への支払いが合わさった金額です。

総額の平均は96.73万円ですが(鎌倉新書 第7回お葬式に関する全国調査/2026年3月時点)、動かせるのは形式・参列人数・葬儀社の選択で、いずれも生前に決められます。

安置日数のように自分で決められない項目は、1日いくらかを先に聞いておくしかありません。

ぜひ本記事の3区分の見積もり方と見積書の確認4点を手元に置いて、元気なうちに葬儀社2〜3社へ事前見積もりを頼んでみてください。

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