SHARE:

葬儀保険の選び方|互助会との違いを比べて確かめる

葬儀保険の選び方|互助会との違いを比べて確かめる

葬儀保険を検索すると、商品名を並べた順位表が出てきます。その順位が保険料の安さで付いているのか、保険金額の大きさで付いているのかは、表に書かれていないこともあります。

葬儀費用の平均は96.73万円、家族葬で96.39万円、直葬・火葬式で49.56万円です(鎌倉新書 第7回お葬式に関する全国調査/2026年3月時点)。

どの形式にするかが決まらないうちは、備える額も決まりません。

比べる相手も他社の商品ではなく、互助会の積立と手元の現金です。

本記事では、葬儀保険で備える額の出し方・互助会と預金を含めた比べ方・資料で確かめる5項目・親や兄弟への切り出し方を解説します。

葬儀保険のランキング上位から選んでも決まらない理由

順位表を見ても決めきれないのは、読み方が足りないからではありません。

順位を作るときに使われた基準と、自分が知りたい基準がずれているためです。

理由は一つではないので、次の3つのうちどれが自分に当てはまるかを見てください。

順位の基準が保険料か保険金額かで並びが変わる

月々の保険料が安い順に並べた表と、同じ保険金額に対する払込総額が少ない順に並べた表は、別の並びになります。

加入できる年齢の上限や、何歳まで契約を続けられるかを条件に加えれば、順番はさらに入れ替わります。

順位表を開いたら、まず何を基準に並べたのかが書いてあるかを確かめてください。

基準が書かれていない表は、絞り込みの材料としては弱いです。

必要な額を決める前に商品を見ている

保険金額が50万円の商品と200万円の商品は、想定している用途が違います。

火葬だけで済ませるつもりなのか、親戚を呼ぶ形にするのかで、用意すべき額は倍以上動きます。

順位表は「どの商品が優れているか」に答える形になっていますが、読者が先に決めなければならないのは「いくら必要か」のほうです。

ここが決まると、候補は自然に数本まで絞られます。

比べる相手が保険会社どうしになっている

葬儀費用の備え方は保険だけではありません。

葬儀社系の互助会に月掛けで積み立てる方法もありますし、葬儀費用の分だけを別の口座に分けておく方法もあります。

この2つは保険商品の順位表には出てきません。

そのため順位表だけを見比べていると、そもそも保険が自分に向いているのかという入口の判断が抜け落ちます。

葬儀保険でいくら備えるかは、葬儀の形式と公的給付の差で決まる

備える額は、想定する形式の費用から、遺族が受け取れる給付を引いた残りです。まず形式ごとの平均を押さえてください(鎌倉新書 第7回お葬式に関する全国調査/2026年3月時点)。

形式費用の平均想定する規模
一般葬122.01万円親戚・近所・仕事関係まで呼ぶ
家族葬96.39万円家族と近い親族だけ
一日葬74.43万円通夜を省いて一日で行う
直葬・火葬式49.56万円式を行わず火葬のみ
全体の平均96.73万円―

同じ調査では、家族葬が47.0%で最も多い形式でした。

一般葬と直葬の差は70万円以上あります。

この幅がそのまま、保険金額をいくらに設定するかの幅になります。

公的給付を引いた残りが、自分で用意する額

健康保険の被保険者が亡くなったときは、埋葬料が一律5万円支給されます。

国民健康保険や後期高齢者医療に加入していた場合は葬祭費が支給されますが、額は市区町村ごとに違うので、親が住んでいる市区町村の窓口で確認してください。

どちらも遺族が申請してから振り込まれるお金です。

葬儀社への支払いに間に合う性質のものではありません。

親の預金を当てにした計画は、口座で止まる

金融機関が名義人の死亡を把握すると、その口座からの出金は止まります。

親の通帳に葬儀費用があるから大丈夫だと考えていると、支払いは結局誰かの立て替えから始まります。

立て替えた人と最終的に負担する人が違うと、精算のときに兄弟間で話がこじれます。

誰が払い、どこから精算するかは葬儀代は誰が払うのかで解説しています。

葬儀保険・互助会・専用の預金、3タイプをどう比べるか

同じ「葬儀費用の備え」でも、お金が使える時期と使い道の縛りが違います。次の4つの軸で並べると違いが分かります。

比べる軸専用の預金葬儀保険互助会
使えるまで本人の生前ならいつでも死亡後、請求手続きを経て(日数は商品ごと)契約した葬儀社で葬儀を行うとき
使い道自由現金で受け取るため自由指定の葬儀社・プラン内に充当
途中でやめたときそのまま残る掛け捨てか返戻金ありか、約款で決まる会員規約に沿って手数料が引かれる場合がある
総額の動き入れた分だけ長生きすると払込総額が保険金額を超えることがある積立総額は決まっているが、プラン外の費用は別払い

手元にまとまった資金があるなら、まず口座を分ける

すぐ動かせる100万円ほどの現金があるなら、それを葬儀費用用の口座に分けておく方法が最も単純です。

使い道の縛りがなく、形式を家族葬から直葬に変えても、余った分がそのまま残ります。

名義を子にしておけば、口座凍結の問題も起きません。

ただし生活費と混ざると別の用途で消えていくため、通帳を分けるところまでやってください。

月々少額で備えるなら、受け取りまでの日数を先に見る

まとまった現金がなく、月に数千円なら出せるという状況では、葬儀保険が候補に入ります。

注意したいのは受け取りの時期です。

葬儀社への支払期日より保険金の入金が遅ければ、結局立て替えが必要になります。

請求から支払いまでの日数と、必要な書類が資料に書かれているかを確かめてください。

解約や乗り換えで損をしやすい場面は葬儀保険のデメリットと解約の見方で解説しています。

葬儀社を決めているなら互助会、解約条件を先に読む

近所の葬儀社で行うと決まっていて、そこが互助会を運営しているなら、積立の分だけ支払いが軽くなります。

一方で、引っ越しや家族葬への変更で使えなくなることもあり、そのときは解約の条件が問題になります。

積立の範囲とプラン外の費用の扱いは互助会の家族葬の費用と積立の仕組みで解説しています。

契約前に会員規約の解約条項を紙でもらってください。

葬儀保険の資料で確かめる5つの項目

商品の良し悪しを他人の順位で判断する代わりに、自分で同じ5項目を並べれば比較表が作れます。パンフレットの表紙ではなく、契約のしおりや重要事項説明書に書かれている部分を見てください。

項目確かめること
保険金額想定する形式の費用から公的給付を引いた額に届くか
保険期間と更新何歳まで契約を続けられるか、更新時に条件が変わるか
保険料の推移加入時の額のままか、年齢とともに上がるか
支払いの条件告知の内容、保険金が減額・不払いになる場合の記載
請求から入金まで必要書類と日数、受取人を誰に指定するか

更新のたびに保険料が変わる商品は、20年後の額まで見る

保険料が一定の商品と、更新ごとに年齢に応じて上がる商品があります。

後者は加入時の保険料が安く見えますが、80代・90代まで払い続ける前提で総額を計算しないと判断できません。

資料には将来の保険料の表が載っていることが多いので、そこを見てから月額を比べてください。

払込総額が保険金額を超える時期が書かれていない場合は、窓口で計算してもらう形になります。

支払いの条件は、加入からの経過期間と告知で変わる

加入から一定の期間内に亡くなった場合、保険金が減額される商品もあります。

健康状態の告知が要るものと、告知の項目が少ないものでも扱いが違います。

親が入院中の段階で加入を考えているなら、この条項が最も重要です。

商品ごとの仕組みと加入前の注意点は葬儀保険の仕組みと加入前の確認点で解説しています。

親と兄弟、葬儀社に葬儀保険の話を切り出すときの持ちもの

相手が変わると、話の入口も持っていくものも変わります。同じ資料を全員に見せても進みません。

親には商品名ではなく、形式の選択肢を見せる

本人に「保険に入っておいてほしい」と切り出すと、死を前提にした話として受け取られやすくなります。

先に出すのは形式の話です。

家族葬が47.0%で最も多いという事実と、形式別の費用の表を見せれば、誰を呼ぶかという具体的な相談になります。

呼ぶ範囲の決め方は家族葬とは何か、呼ぶ範囲の決め方で解説しています。

本人の希望が出てきたら、その場で書き残してもらってください。

書く項目に迷うならエンディングノートに書く項目で解説しています。

兄弟には、立て替えと精算の見通しを先に出す

兄弟に相談するときの材料は、保険商品の資料ではありません。

想定する形式の費用、受け取れる公的給付、親の預金が凍結された場合に誰がいくら立て替えるかという3点です。

金額を紙にして出すと、感情の話になりにくくなります。

保険で備えるかどうかも、その紙を見てから決めれば済みます。

葬儀社の生前相談では、見積書を紙でもらう

費用は総額の大小より内訳で決まります。

見積書をもらうときは、式場の使用料・火葬料・搬送距離・安置日数・ドライアイスの追加分が、どの条件で増えるのかを聞いてください。

火葬は死亡から24時間を経過した後でなければできないため、安置の時間は必ず発生します。

安置が延びたときにいくら加算されるかは、見積書に書かれていない場合があります。

なお、病院で紹介された葬儀社をその場で断っても問題はありません。

搬送だけを頼んで、葬儀は別の会社に依頼する形も選べます。

生前に相談しておくのは、この判断を数時間で下さなくて済むようにするためです。

効きにくい進め方と、専門家に渡す段階

口コミと順位を集めるだけでは絞れない

口コミは、書いた人の年齢と健康状態、加入した時期の条件が分かりません。

保険料や加入条件はその人の属性で決まるため、他人の満足度をそのまま自分に当てはめられないのです。

順位表と口コミを何十件読んでも、自分に必要な保険金額は出てきません。

先に金額を決めるほうが早く終わります。

亡くなってから比べるのは間に合わない

「そのときになったら考える」という進め方が最も動かない選択です。

搬送先と葬儀社を決める段階では、数時間のうちに判断を求められます。

複数社から見積書を取って条件を比べる余裕はありません。

生前にやっておけることの全体像は葬儀の生前準備で決めておく6つのことで解説しています。

税金と契約の争いは、税理士と相談窓口へ

保険金の税務上の扱いは、受取人が誰か、どの保険料を誰が払っていたかで変わります。

相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数で、申告と納付の期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。

財産の総額が基礎控除に近いなら、加入の形を決める前に税理士へ相談する段階です。

互助会の解約返還額に納得できない場合や、勧誘の内容と契約書が違う場合は、お住まいの市区町村の消費生活相談窓口に、契約書と会員規約を持って行ってください。当事者同士で電話を重ねるより、第三者を入れたほうが記録も残ります。

よくある質問

葬儀保険と生命保険はどちらを選べばよいですか

名称で分けるより、保険金額・保険期間・保険料の3点で比べてください。

すでに生命保険に加入しているなら、その保険金だけで葬儀費用に足りることもあります。

まず保険証券を出して、保険金額と受取人、保障が何歳までかを確認してから、不足分があるかを考える順番になります。

高齢の親でも葬儀保険に入れますか

加入できる年齢の上限は商品ごとに違い、資料の加入条件の欄に書かれています。

健康状態の告知が必要なものと、告知項目が少ないものもあります。

入院中や治療中の場合は、加入できるかどうかと、加入後に保険金が満額出るかどうかを、申し込む前に窓口で確認してください。

葬儀保険に入れば葬儀費用は全部まかなえますか

保険金額と実際の費用の差は自分で埋めることになります。

葬儀費用の平均は96.73万円、家族葬でも96.39万円です(鎌倉新書 第7回お葬式に関する全国調査/2026年3月時点)。

保険金額が50万円の契約なら、半分近くは別に用意する計算になります。

互助会に入っているのに葬儀保険

あなたへのおすすめ