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不用品回収の高額請求を防ぐには|無料回収の落とし穴

不用品回収の高額請求を防ぐには|無料回収の落とし穴

「無料回収」と書かれたトラックに来てもらい、積み込みが終わってから料金を告げられることがあります。

この種の相談は国民生活センターに寄せられていて、2021年度は2,231件でした(国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」/2022年11月公表時点)。

無料を名乗る車の多くは、家庭から出た物を運ぶために要る一般廃棄物収集運搬業の許可を持っていません。

許可があるかどうかは、市区町村のホームページに載っている許可業者の一覧で確かめられます。

本記事では、高額請求が起きる3つのタイプ・電話をかける前にそろえる書面・許可番号の確かめ方・粗大ごみとの使い分けを解説します。

不用品回収の高額請求は「無料」「積み放題」「作業後」の3タイプで起きる

請求額がふくらむ経路は、だいたい決まっています。

国民生活センターが公表しているトラブルの型は、作業終了後の高額な追加請求、トラック詰め放題プランで当日に制限を告げられるもの、見積もり時の説明との相違、キャンセル料の請求、複数台分の不当請求です。

読者の身に起きたことがどれにあたるかで、次に打つ手が変わります。

積み込みが終わってから料金を告げられる「無料回収」

いちばん止めにくいのが、積み込み後に金額が出てくる形です。

家財が荷台に載ってしまえば、降ろしてもらう交渉から始めることになります。

作業終了後に25万円を請求された例が報告されています(国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」/2022年11月公表時点)。

「無料」と言っていたのに有料だった、という点だけでなく、そもそもその車が家庭ごみを運べる許可を持っているかどうかが問題になります。

積み放題プランで、当日になって制限を言われる

「軽トラック積み放題◯円」の広告を見て申し込むと、当日に「家電は別料金」「この高さまで」と言われる形です。

料金表そのものが嘘というわけではなく、制限の説明が事前に無いところで差が開きます。

積み放題の料金体系がどう組まれているかは不用品回収の料金相場とトラック積み放題の考え方で解説しています。

見積書どおりに進まない、キャンセル料を求められる

訪問見積もりを取ったのに、当日「予定外の物が出た」と言われて請求額が上がることがあります。

断ろうとするとキャンセル料を求められる例もあります。

この場合は見積書という物証があるので、3タイプのうちでは話を戻しやすい部類です。

逆にいえば、書面が一枚も無いまま作業が始まると、後から金額の根拠を争う材料が残りません。

自分の状況がどれかは、次の順で切り分けられます。

  • まだ何も渡していない段階なら、業者の許可を先に確かめる話になります
  • 見積書を受け取っている段階なら、書面と請求額の差額が論点です
  • すでに運び出されて支払いを求められている段階なら、消費生活センターへの相談に進みます

電話をかける前に、出す物の写真と市区町村の許可業者一覧をそろえる

業者と話す前に自分の側でそろえておくものがあります。ここが空のまま電話をかけると、相手の言い値でしか話が進みません。

市区町村のホームページで許可業者を調べる

一般廃棄物収集運搬業の許可は、市区町村が出します。

多くの自治体がホームページに許可業者の一覧を載せていて、そこに名前が無ければ、その業者は家庭から出た廃棄物を運べません。

実家の所在地の自治体で調べるのが前提です。

読者が住んでいる市の許可業者でも、実家のある市では許可を持っていないことがあります。

出す物を撮って、大物だけでも一覧にする

タンス2棹、冷蔵庫1台、食器の入った段ボール10箱、というところまで書き出しておくと、電話口での見積もりが具体的になります。

写真があれば、当日に「聞いていた量と違う」と言われたときの反証になります。

2階から下ろす物があるか、家の前にトラックが停められるかも、料金を左右する条件です。

先に伝えておくほど、後から追加が出にくくなります。

運び出す前に、書類だけは抜いておく

家財と一緒に運ばれると相続の手続きが止まる物があります。処分を頼む前に、次のものを探してください。

  • 通帳・キャッシュカード・保険証券・年金手帳
  • 不動産の権利証と登記識別情報・有価証券・借用書
  • 遺言書・印鑑と印鑑登録証・貸金庫の鍵と契約書

自筆証書遺言が出てきたら、封を開けずに家庭裁判所へ持ち込みます。

開封してしまうと過料の対象になりますし、中身をめぐって兄弟間の説明が難しくなります。

法務局の保管制度を使ったものと公正証書遺言は検認が要りません。

片づけの順番そのものに迷っているなら、遺品整理を何から始めるかの順番で解説しています。

見積書と許可番号は、電話・訪問・作業当日の3回に分けて確かめる

確認を1回で済ませようとすると抜けます。相手と話す場面ごとに、聞くことが違います。

電話の段階で聞くこと

名乗られた会社名と、一般廃棄物収集運搬業の許可番号を控えます。

「提携先が持っている」という答えが返ってきたら、その提携先の名前と番号まで聞いてください。

あわせて、追加料金が発生する条件と、キャンセル料の有無と金額を確認します。

ここで言葉を濁す相手は、当日も同じ調子になります。

訪問見積もりでは、内訳のある書面を受け取る

総額だけを口頭で伝えて帰る担当者がいます。

品目ごとの単価、運搬費、階段作業の加算、処分費が分かれた書面を出してもらってください。

「これ以外に費用は発生しない」のか、「当日の状況で変わる」のかも、書面のどこかに書いてもらいます。

会社名・住所・許可番号が入った書面かどうかも見ます。

不用品回収業者を許可番号で見極める手順で、確認の具体的な流れを解説しています。

当日に追加を言われたら、積む前に止める

荷台に載る前が分かれ目です。

見積書と違う金額を言われたら、その場で作業を止めて、追加分の内訳を書面に書いてもらいます。

応じない業者に無理に続けさせる理由はありません。

すでに運び出された後でも、支払う前であれば消費生活センターに相談できます。

会社名・許可番号・担当者名・車のナンバーを控えておくと、連絡が取れなくなったときに話が進みます。

不用品回収に要る許可は2種類|運ぶ許可と、買い取る許可

業者の見分け方は、突き詰めると許可の話に収まります。ここを押さえると、広告の文句に左右されなくなります。

家庭から出た物を運ぶなら、一般廃棄物収集運搬業の許可

廃棄物処理法7条により、一般家庭から出る廃棄物の収集・運搬には、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可、または市区町村からの委託が必要です。

産業廃棄物収集運搬業の許可では家庭ごみを運べません。

事務所に「産業廃棄物収集運搬業許可」の標識が掲げてあっても、それは別の許可です。

無許可の業者に渡した物は、不法投棄される恐れがあります。

排出した側が後から説明を求められる事態もあり得ます。

買い取るなら古物商許可、訪問買取には8日間のクーリング・オフ

値段を付けて買い取る行為には、都道府県公安委員会の古物商許可が要ります(古物営業法3条)。

回収と買取を両方やる業者は、2つの許可を持っているはずです。

そして、業者が自宅を訪問して買い取る「訪問購入」には、契約書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフがあります(特定商取引法58条の14・58条の15)。

その8日間は物品の引き渡しを拒めます。

貴金属や古い硬貨を「ついでに」と持ち出されそうになったら、この期間があることを思い出してください。

買取を頼む側の確認事項は出張買取業者の古物商許可と査定額の見方で解説しています。

遺品整理士は民間資格で、許可の代わりにはならない

遺品整理士は一般社団法人遺品整理士認定協会の民間資格です。

国家資格ではなく、この資格があるからといって廃棄物を運べるわけではありません。

片づけの進め方に通じている目安にはなりますが、許可の有無とは別の欄として見てください。

「遺品整理士在籍」とだけ書かれた広告で、許可番号がどこにも見当たらない業者があります。

口コミ検索では防げない|粗大ごみ・買取・不用品回収の使い分け

業者選びで勧められる方法のうち、実際にはあまり止められないものがあります。

効きにくいのは、口コミと値切り交渉

口コミは書き手の条件が分かりません。

同じ業者でも、マンション1室と2階建ての一軒家では作業量が違います。

星の数を見ても、自分の家で追加料金が出るかどうかは判断できません。

相見積もりも、3社とも書面を出さない業者なら比べる材料が増えないままです。

値切り交渉に至っては、単価の根拠が分からない状態で総額だけ下げても、当日に別名目で戻ってくることがあります。

見るのは口コミではなく、許可番号と内訳のある書面です。

量と急ぎ具合で、出し先を決める

大物の出し先は3つあり、それぞれ向く条件が違います。

出し先向く条件気をつける点
自治体の粗大ごみ点数が少なく、収集日まで待てる。自分で指定場所まで運び出せる申込みから収集まで日数がかかる。家電リサイクル法の対象品は扱わない自治体がある
買取(出張買取)製造から年数の浅い家電、ブランド食器、貴金属、状態のよい工具がある訪問購入は8日間のクーリング・オフの対象。売れない物の処分は別に考える
不用品回収業者量が多い、日程が決まっている、運び出しができない一般廃棄物収集運搬業の許可と、内訳のある見積書を確認する

売れる物と売れない物は、正直に分けておいたほうが計画が立ちます。

相場のある家電や貴金属は値が付くことがありますが、大型の婚礼家具、古い応接セット、使用済みの仏壇は買い手がつきにくく、処分費がかかる側に回ります。

仏壇は閉眼供養をどうするかという別の相談が先に来ます。

少量なら自治体で出したほうが安く済む場面も多いので、粗大ごみの申込みから収集までの流れと料金を先に見てから、残りを業者に回す組み方もあります。

自分で止められなくなったら、消費生活センターへ

次の状態になったら、業者との直接交渉から相談窓口に切り替える段階です。

  • 支払いを済ませていないのに、強い口調で請求が続いている
  • 見積書と請求額が大きく違い、業者が内訳を出さない
  • すでに支払ってしまい、返金を求めたい

消費者ホットライン「188」から、住んでいる地域の消費生活センターにつながります。

相談のときに、控えた会社名・許可番号・見積書・支払いの記録があるほど話が早く進みます。

不法投棄の疑いがある場合は、市区町村の廃棄物担当課も窓口になります。

よくある質問

無料回収のトラックに渡した物は、その後どうなりますか

許可のある業者であれば、決められた処理施設へ運ばれます。

許可の無い業者に渡した場合は、山林や空き地に不法投棄される恐れがあると国民生活センターが注意を呼びかけています。

無料と言われても、まず一般廃棄物収集運搬業の許可を市区町村の一覧で確かめてください。

作業が終わった後に高額を請求されたら、支払わなければいけませんか

その場で支払う前に、追加分の内訳を書面で求めてください。

支払義務があるかどうかは契約の内容や説明の経緯で判断が分かれるため、個別の可否はここでは判断できません。

支払い前の段階なら消費生活センターに相談でき、188番から地域の窓口につながります。

古い婚礼家具や仏壇は売れますか

大型の婚礼家具や使い込まれた仏壇は、買い手が限られるため値が付きにくい品です。

処分費がかかる前提で計画したほうが、見積もりとのずれが小さくなります。

一方で、製造年の新しい家電、ブランドの食器、貴金属、古い硬貨や切手は査定の対象になります。

遺品整理士の資格がある業者なら、廃棄物を運べますか

運べません。

遺品整理士は民間の認定資格で、廃棄物の収集運搬を認める許可とは別のものです。

運搬を頼むなら一般廃棄物収集運搬業の許可、買取も頼むなら古物商許可を、それぞれ番号で確認してください。

自治体の粗大ごみと業者では、どちらが安く済みますか

点数が少なく、自分で指定場所まで運び出せるなら、自治体のほうが費用は抑えられます。

ただし申込みから収集までに日数がかかり、運び出しは自分の作業です。

家を明け渡す日が決まっている、量が多い、階段の上げ下ろしがあるという条件では、業者に頼む判断になります。

両者の役割分担は不用品回収と自治体の粗大ごみの使い分けで解説しています。

まとめ

高額請求を防ぐ手立ては、業者の人柄を見抜くことではなく、許可番号と書面を先に押さえることに尽きます。

家庭から出た物を運ぶには一般廃棄物収集運搬業の許可、買い取るなら古物商許可が要り、産業廃棄物の許可や遺品整理士の資格はその代わりになりません。

市区町村の許可業者一覧に名前があるかを確かめ、内訳の入った見積書を受け取ってから作業を始めてもらってください。

作業当日に金額が変わったら、荷台に積む前に止めます。

支払う前であれば、消費者ホットライン188から相談できます。

ぜひ本記事の3タイプの見分け方と、電話・訪問・当日の3回に分けた確認手順を参考に、実家に残った大物の出し先を決めてください。

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