粗大ごみの出し方|申込みから収集まで4ステップで解説

粗大ごみの出し方は、申込み・処理券の購入・記入・搬出の4ステップです。収集日の朝に玄関先へ出せば持っていってもらえるごみではなく、事前に申し込んだ人だけが収集日を指定してもらえます。
実家の片づけでつまずくのは、この申込みです。
家具や寝具をまとめて何点も出そうとすると希望どおりの日に取ってもらえるとは限らず、家の引き渡し日が決まっているなら逆算が必要になります。
エアコンやテレビのように、そもそも自治体が粗大ごみとして受け付けない品目もあります。
本記事では、申込みから収集までの4ステップ・自治体が受け付けない品目・売れるものと売れないものの分け方・「無料回収」を名乗る業者の許可の見分け方を解説します。
粗大ごみの出し方は、申込みから搬出まで4ステップ
最初にやることは、市区町村の粗大ごみ受付センターへの申込みです。
品目・大きさ・点数を伝えると、収集日と出す場所、それに支払う手数料の額が決まります。
通常のごみと違うのは、この申込みが先に来るところです。
処理券を買ってから申し込むのではなく、申し込んで金額が決まってから券を買います。
| ステップ | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. 申込み | 受付センターへ電話またはインターネットで連絡し、品目名・寸法・点数を伝える | 品目が特定できないと手数料が決まらない。先に採寸しておく |
| 2. 処理券の購入 | 指定された金額分の処理券(シール)を、自治体が指定した取扱店で買う | 券は市区町村ごとに違う。隣の市の券は使えない |
| 3. 記入と貼付 | 受付番号や氏名を書き、品目の見やすい面に貼る | 雨や風で剥がれると収集されずに残される |
| 4. 搬出 | 指定された日の指定時刻までに、指定場所へ自分で運び出す | 部屋からの運び出しは自分の仕事。階段がある家では人手が要る |
申込みで聞かれるのは品目名と寸法
受付で必ず聞かれるのが、それが何で、どれくらいの大きさかという点です。
同じ「棚」でも、高さ1メートルのカラーボックスと、天井まである婚礼家具では手数料の区分が変わります。
メジャーで幅・奥行・高さを測り、家電なら本体のシールに書かれたメーカー名と型番を控えてから連絡すると、一度の電話で終わります。
実家に何点あるかを数えるところから始まるため、部屋ごとに品目を書き出しておくと申込みが速く進みます。
処理券は自治体が指定した店で買う
処理券はコンビニやスーパー、商店などで扱われていますが、どこでも売っているわけではありません。
取扱店は市区町村が指定していて、店頭に表示が出ています。
買った券は原則として払い戻しができない扱いになっていることが多く、点数を間違えて多く買うと無駄になります。
券に何を書いてどこに貼るかは粗大ごみ処理券の書き方で解説しています。
粗大ごみと燃えるごみの境目は、自治体が決めたサイズ
何センチ以上が粗大ごみなのかは、市区町村の条例や要綱で決まっています。
一辺の長さで区切る自治体もあれば、指定のごみ袋に入るかどうかで分ける自治体もあります。
同じ座椅子でも、こちらの市では粗大ごみ、隣の市では燃えるごみという差が出ます。
実家と自分の住まいで基準が違うことは普通にあるので、実家の市区町村のルールを確認してください。
袋に入れば通常のごみとして出せることがある
解体して指定袋に収まれば通常のごみとして出せる、という扱いを認めている自治体があります。
カラーボックスや衣装ケースのように工具で分解できるものは、この方法で手数料をかけずに処分できる場合があります。
ただし分解を認めていない自治体もあり、木材とプラスチックが混ざったものは分別先が分かれます。
大量に出すと1回の収集で持っていってもらえないこともあるため、何回かに分ける前提で考えてください。
自治体の粗大ごみとして受け付けない品目がある
申し込んでから断られることが多いのが、次のようなものです。
- エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機
- パソコンとディスプレイ
- 消火器、タイヤ、バッテリー、ガスボンベなどの危険物
- ピアノ、耐火金庫、建築廃材といった大型で重量のあるもの
家電の4品目とパソコンには、自治体の収集とは別の引き取りルートが用意されています。
販売店に引き取りを頼むか、メーカーや指定の窓口に回収を申し込む形になり、引き取りの費用も別に発生します。
消火器やタイヤは専門の取扱業者へ回すことになり、ピアノや金庫は自治体で扱わず民間業者を紹介されることもあります。
受け付けるかどうかの線引きは市区町村で分かれるため、迷う品目は申込み前に受付センターへ聞くのが早いです。
粗大ごみの料金は、品目と大きさと点数で決まる
手数料は品目ごとの区分で決まっていて、同じ家具でもサイズが大きいほど高い区分になります。
ソファは一人掛けと三人掛けで別区分、布団は枚数で数える、といった数え方も自治体ごとに決められています。
全国共通の金額はありません。
同じタンスでも市区町村が違えば額が変わるため、実家の市区町村が公表している品目別の一覧で確認してください。
品目ごとの目安と券の買い方は粗大ごみの料金と処理券の買い方で解説しています。
総額を押し上げるのは、単価よりも点数です。
実家をまるごと片づけると、タンス・食器棚・ベッド・布団・こたつ・自転車と、大物だけで十数点になることがあります。
1点あたりの額が小さくても、点数が増えれば相応の金額になり、しかも収集回数も増えます。
先に品目を全部書き出して合計を出しておくと、業者に一括で頼んだ場合との比較ができます。
減免の制度を設けている自治体がある
生活保護の受給世帯や、一定の要件に当てはまる世帯について、手数料を免除または減額する仕組みを持つ市区町村があります。
対象も手続きも自治体ごとに異なり、申込みの時点で申し出ないと適用されない運用が一般的です。
該当しそうなら、収集の申込みをする前に窓口へ確認してください。
対象になる世帯の考え方は粗大ごみの手数料減免の条件で解説しています。
粗大ごみの申込みは、家の引き渡し日から逆算する
申込みから収集までにかかる日数は、自治体と時期で変わります。
数日で来ることもあれば、先の日付しか案内されないこともあります。
実家の売却や賃貸の解約で日が決まっている場合、この待ち時間が一番の制約になります。
片づけを始めた日ではなく、家を明け渡す日から逆算して申込みの締切を決めてください。
申込みが集中しやすいのは、引っ越しの多い年度末から春先と、大掃除の時期です。
この時期は希望日が埋まりやすく、収集日が後ろへずれます。
連休をはさむと受付そのものが休みになる日もあります。
何日前から申し込めるのか、いつまでに申し込めば希望日に間に合うのかは粗大ごみの収集日と申込みのルールで解説しています。
自分で処理施設へ持ち込む方法もある
多くの市区町村が、住民が自分でごみ処理施設へ運び込む持込みの制度を用意しています。
こちらも事前予約が要る場合がほとんどですが、収集を待つより早く処分できることがあります。
運転免許証などで住所を確認されるのが通常で、受付時間は平日の日中に限られる施設もあります。
軽トラックが借りられて、積み下ろしができる人手があるなら、選択肢に入れてください。
収集当日は立ち会わない運用が多い
指定された場所に出しておけば、在宅していなくても持っていってもらう方式が一般的です。
遠方から実家に通って片づけている場合、この点は助かります。
ただし、前日の夜に出すことを禁じている自治体があり、朝の指定時刻までに出す決まりになっているのが通常です。
近所の人が持ち去ったり、逆に関係のないものが一緒に置かれたりするのを避けるためでもあります。
捨てる前に、値段が付くものだけを抜き出す
実家の家財をすべて粗大ごみに回す前に、売れるものを分けておくと処分費が下がります。
ただし「思い出があるから価値がある」とはなりません。
中古市場で取引されている数があるかどうかで決まります。
買い手が付きやすいもの
製造から年数の浅い家電、ブランドの食器や茶器、貴金属と宝飾品、電動工具、楽器、カメラ、それに未使用のまま箱に入った贈答品は、値段が付く見込みがあります。
共通しているのは、型番や刻印で同じものが特定でき、いくらで取引されているかを調べられる点です。
仏間の桐たんすに眠っていた着物や、床の間の掛け軸は、専門の買取業者でないと判断が難しい分野になります。
値段が付きにくいもの
大型の婚礼家具、応接セット、学習机、古い仏壇、大量の一般的な食器、来客用の座布団や布団は、状態が良くても買い手が付かないことが多いものです。
新品同様に見えても、運び出す手間と保管する場所のほうが費用になるためです。
買取業者に「これは引き取れません」と言われたものは、そのまま粗大ごみか回収業者に回す前提で考えておくと、段取りが崩れません。
訪問買取には8日間のクーリング・オフがある
業者が自宅を訪問して買い取る訪問購入では、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます(特定商取引法58条の14・58条の15)。
この期間中は、物品の引き渡しそのものを拒めます。
貴金属の買取を持ちかけて他のものまで安値で持ち帰る手口が問題になってきた分野なので、その場で品物を渡さず、書面を受け取ってから判断してください。
家に来てもらう買取の仕組みは出張買取の流れと注意点で解説しています。
「無料回収」を名乗る業者は、許可の種類で見分ける
家庭から出た不用品を運んで処分するには、市区町村が出す一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。
買い取るなら、都道府県公安委員会の古物商許可です。
産業廃棄物収集運搬業の許可では、家庭ごみを運べません。
街を回る「無料回収」のトラックや、ポストに入るチラシの回収業者は、この一般廃棄物の許可を持っていないことが多くあります。
許可のない業者に渡すと、積んだ荷物が不法投棄される可能性があります。
中に個人情報の入った書類や写真が混ざっていれば、それも一緒に流出します。
無料と言われて積み込んだあとに「これは有料品です」と高額を請求される手口も、この分野の相談として続いています。
作業が始まってからでは断りにくくなるため、車に載せる前に確認してください。
確認するのは許可の名称と、許可を出した市区町村の名前
聞き方は難しくありません。
「一般廃棄物収集運搬業の許可はありますか」「どこの市区町村の許可ですか」「許可番号を教えてください」の3点です。
許可は市区町村ごとに出るため、実家のある市の許可を持っているかどうかが問われます。
会社名と許可番号を控えておけば、連絡が取れなくなったときに消費生活センターへ相談できます。
料金についても、総額だけの口頭見積もりではなく、費目ごとに分けた書面を出してもらってください。
自治体の収集と業者依頼のどちらを選ぶかは不用品回収と自治体の使い分けで解説しています。
遺品整理士は資格であって、運搬の許可ではない
遺品整理士は、一般社団法人遺品整理士認定協会の民間資格です。
国家資格ではなく、この資格があるから廃棄物を運べるという関係にはありません。
ホームページに資格者在籍と書かれていても、許可の有無は別に確かめる必要があります。
逆に、自社に一般廃棄物の許可がなく、許可を持つ業者と提携して処分している会社もあります。
その場合は、どこへ運ばれるのかまで聞いてください。
粗大ごみ・買取・回収業者の使い分けは、点数と残り時間で決まる
3つの方法は、どれかを選ぶというより組み合わせて使うものです。判断の軸になるのは、出すものの点数と、片づけに使える時間、そして運び出せる人手があるかどうかの3つになります。
| 状況 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 大物が数点だけ。通える距離で期限もない | 自治体の粗大ごみ収集 | 手数料がいちばん安く済む。日程を待てるなら不利がない |
| 家一軒分。明け渡しの日が決まっている | 回収業者(許可を確認したうえで) | 仕分けと運び出しを一度に任せられる。収集日を待たなくてよい |
| 値段が付きそうなものが含まれる | 買取を先に入れる | 処分費から差し引ける。売れなかったものを粗大ごみへ回す |
| 遠方で、月に一度しか行けない | 業者への一括依頼+一部を自治体へ | 通う回数そのものが交通費と時間の費用になる |
運び出せる人手があるかどうかで結論が変わる
自治体の収集は、指定の場所まで自分で出すところまでが利用者の仕事です。
二階の和室にある桐たんすや、通路の狭い家のベッドは、大人2人でも動かせないことがあります。
無理に運んで階段で手を離せば、けがにも壁の破損にもつながります。
手数料だけを比べれば自治体が安くても、運び出しができないなら選べません。
回収業者の見積もりを取るときは、部屋からの搬出を含んだ金額かどうかを確かめてください。
片づける前に探すものと、放置したときに増える費用
先に探しておかないと、あとで手続きが止まるものがあります。仏壇の引き出しに通帳、押し入れの奥に権利証、封筒に入ったままの保険証券が残っていることがあります。
- 通帳・キャッシュカード
- 保険証券、年金手帳
- 不動産の権利証と登記識別情報
- 遺言書
- 印鑑と印鑑登録証
- 貸金庫の鍵と契約書
- 有価証券、借用書
とくに借用書と、消費者金融からの郵便物は重い意味を持ちます。
借金のほうが多いと分かったときの相続放棄は、自分が相続人だと知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する決まりです(民法915条)。
起算日は亡くなった日ではありません。
そして、相続財産を処分すると相続を承認したとみなされ、放棄ができなくなる扱いがあります。
放棄を検討する余地があるうちは、家財を売ったり捨てたりする前に弁護士や司法書士へ相談する段階です。
何から手を付けるかの順番は遺品整理の始め方で解説しています。
家財を残したままの空き家は、費用が増えていく
全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%で過去最高になりました(総務省 住宅・土地統計調査/2023年時点)。家財が残っていると売却も賃貸も進まず、その間も固定資産税と火災保険料、それに草木の管理費がかかり続けます。
倒壊のおそれや衛生上の問題があると市区町村が判断すれば「特定空家」に、そうなるおそれがある状態なら「管理不全空家」に指定されます。
勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が外れます。
放置しただけで自動的に税額が上がるわけではなく、指定と勧告の段階を踏む仕組みです。
家財を出して中を空にしておくことは、この段階へ進ませないための実務でもあります。
売却でも賃貸でもない選択肢として、空き家バンクの登録条件で解説している制度を使う自治体もあります。
あわせて、不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記が義務になっています。
2024年4月1日より前に相続した不動産も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。
正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。
家財の片づけと登記は別の話に見えますが、どちらも「実家を手放せる状態にする」ための同じ工程です。
よくある質問
申込みをせずに粗大ごみを出したらどうなりますか
収集されずにその場に残ります。
集積所に置いたままにすれば不法投棄として扱われることもあり、警告のシールを貼られて持ち帰りを求められます。
処理券を貼っていても、受付番号が控えと一致しなければ収集の対象になりません。
申込みが先、券が後という順番を守ってください。
処理券が剥がれてしまったときはどうすればいいですか
収集前に気づいたなら、剥がれない状態に貼り直してください。
券は雨に濡れると粘着が落ちるため、上からテープで押さえる方法を案内している自治体もあります。
すでに収集日を過ぎて残されている場合は、受付センターへ連絡して指示を受けてください。
券を貼り直せるか、買い直しになるかは自治体の運用で分かれます。
テレビや冷蔵庫も粗大ごみとして出せますか
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、自治体の粗大ごみとして受け付けない扱いが一般的です。
買い替えなら購入店、処分だけなら購入した店か指定の引取窓口へ申し込む形になり、リサイクルの費用と運搬の費用が別にかかります。
実家にどの家電が残っているかを先に数えておくと、粗大ごみの点数と分けて予算を立てられます。
仏壇は粗大ごみに出せますか
粗大ごみとして受け付ける自治体と、受け付けない自治体があります。
サイズが大きいものは搬出も難しく、仏具店や専門の業者が引き取りに応じている場合もあります。
菩提寺があるなら、処分の前に相談しておくと後の親族間の話が進めやすくなります。
買取という点では、大型の古い仏壇に値段が付くことはほとんどありません。
「無料で回収します」と言われましたが、本当に無料ですか
その場で確かめられるのは、一般廃棄物収集運搬業の許可があるかどうかと、どこの市区町村の許可かの2点です。
許可がないまま家庭の不用品を運ぶことはできません。
無料と言われて積み込んだあとに追加費用を求められる相談は続いています。
作業前に会社名と許可番号を控え、費目ごとの見積書を書面で受け取ってください。
遺品整理業者に頼めば、粗大ごみの申込みも代行してもらえますか
自治体への申込み自体は住民が行うのが原則で、業者が代行できるかどうかは市区町村の運用で分かれます。
許可を持つ業者に依頼する場合は、粗大ごみとして出すのではなく、業者が自社のルートで処分する形になるのが通常です。
どこへ運ばれ、いくらかかるのかを見積書で確認してください。
実家が遠方で立ち会えません。どう進めればいいですか
粗大ごみの収集は、指定の時刻までに指定場所へ出しておけば立ち会い不要という自治体が多くあります。
ただし出す作業は誰かがやる必要があるため、遠方の場合は通う日をまとめ、その日に合わせて収集日を指定する組み立てになります。
交通費と移動時間を回数分で計算すると、業者への一括依頼のほうが総額で安くなることもあります。
まとめ
粗大ごみは申し込んで初めて収集日と手数料が決まり、処理券を買うのはその後です。
出せる品目とサイズの基準、それに手数料の額は市区町村ごとに違うため、実家のある市区町村の一覧で確かめるところから始まります。
家電の4品目とパソコンは別のルートになり、消火器やタイヤのように自治体が扱わない品目もあります。
業者に頼むときに見るのは、料金の安さよりも許可です。
家庭から出たものを運べるのは一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者だけで、買取をするなら古物商許可が要ります。
そして片づけに入る前に、通帳・権利証・遺言書・借用書を探してください。
相続放棄を考える余地があるうちに家財を処分すると、その判断ができなくなります。
ぜひ本記事の4ステップの表と、点数・時間・人手で分けた使い分けの表を参考に、実家の品目を書き出すところから始めてください。


