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仏壇処分を頼む業者の選び方|供養の有無で確かめる点

仏壇処分を頼む業者の選び方|供養の有無で確かめる点

仏壇処分の見積もりを何社かに取ると、金額よりも先に作業の中身がそろっていないことに気づきます。閉眼供養(へいがんくよう)まで含めて請け負う会社と、運び出して処分するだけの会社が、同じ「仏壇処分」という名前で並んでいるからです。

家庭から出た仏壇を運んで処分するには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。

買い取るなら都道府県公安委員会の古物商許可という別の許可です。

産業廃棄物収集運搬業の許可だけでは、家庭から出た仏壇は運べません。

「無料回収」を名乗るトラックは、ここが抜けていることがあります。

本記事では、依頼先ごとに電話で確かめる質問・許可と見積書の見分け方・引き出しを空にする前に探すものを解説します。

仏壇処分のもめごとは、供養・運搬・買い取りが別の仕事だから起きる

「仏壇を処分する」という一言には、性質の違う作業が3つ入っています。

僧侶に読経してもらう閉眼供養、仏壇そのものを家から運び出して廃棄物として処理すること、そして中の仏具や貴金属を買い取ってもらうことです。

担当する相手も要る許可も別々なのに、見積書では「仏壇処分一式」とまとめられます。

金額が会社によって開くのは、この3つのうちどれが入っているかが違うためです。

つまずく場所は、大きく次の3つに分かれます。自分がどれで止まっているかによって、次に取る一手が変わります。

  • 金額でもめている(内訳が出てこない、当日に追加請求された)
  • 親族でもめている(兄弟や叔父叔母が処分に反対している)
  • 処分先が分からない(運ばれた仏壇がどうなるのか説明されない)

金額でもめるのは、口頭の総額だけで話が進むから

電話では「見てみないと分かりません」と言われ、訪問した担当者は総額だけを口頭で伝えます。

費目の内訳は出てきません。

この状態で作業日を決めると、当日になって階段作業費・解体費・仏具の処分費といった名目が足されます。

仏壇は本体が重く、二階の和室から降ろす場合は人手が増えます。

金額が動く条件そのものは説明できるものなので、内訳を書かない見積書は、あとから動かす余地を残していると考えてください。

親族が反対するのは、処分そのものより順番への反発であることがある

叔父や叔母から「相談もなしに」と言われる場面では、処分の是非より先に、知らされなかったことへの反発が出ています。

仏壇と位牌は祭祀(さいし)財産で、相続財産とは別に1人が引き継ぐ決まりです(民法897条)。

法律上は引き継いだ人が判断できますが、親の代からその仏壇に手を合わせてきた親族にとっては、自分の実家の話でもあります。

権利の話を先に出すと、話し合いはそこで止まります。

処分先が分からないのは、廃棄物の流れを説明できない業者だから

引き取った仏壇をどこへ運び、どう処理するのかは、許可を持つ業者なら答えられます。

答えが「こちらで責任を持って供養します」だけで、供養の場所も処理の方法も出てこないなら、許可の有無から確かめる段階です。

仏壇じまいの全体の流れは閉眼供養から処分までの手順で解説しています。

依頼先を探す前に、引き出しの中身と位牌の行き先を決める

業者に電話をかける前に、自分の側で済ませておく作業があります。ここを飛ばすと、見積もりを取り直すか、運び出したあとで取り返しがつかなくなります。

引き出しから出てくると相続の手続きが止まるもの

仏壇の引き出しや下の収納は、家の中で最も書類がしまわれやすい場所のひとつです。処分してしまうと相続の手続きが進まなくなるものを、先に探し出してください。

  • 通帳・キャッシュカード
  • 保険証券・年金手帳
  • 不動産の権利証と登記識別情報
  • 遺言書
  • 印鑑と印鑑登録証
  • 貸金庫の鍵と契約書
  • 有価証券・借用書

遺言書が出てきたときは、封をしたまま家庭裁判所へ持ち込みます。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は検認が必要で、勝手に開封してはいけません(民法1004条)。

公正証書遺言と、法務局の保管制度を使った自筆証書遺言は検認が不要です。

相続放棄を考えている段階なら、財産に手を付けたとみなされないよう、見つけた通帳の入出金は止めておきます。

相続放棄の申述は、自分が相続人だと知った時から3か月以内です。

位牌・本尊・遺影は仏壇本体と切り離して決める

仏壇を処分しても、中の位牌や本尊まで一緒に処分すると決まったわけではありません。

位牌を小さな仏壇に移して自宅に置く、寺に預けて永代供養を頼む、あるいは本尊だけ菩提寺(ぼだいじ)へ返すという分け方ができます。

永代供養は年数を区切って個別に安置し、その後は他と一緒にする扱いをとる施設もあるため、預ける前に個別安置の年数と、その後どうなるかを確認してください。

永代供養の仕組みは種類ごとの違いと向いている人で解説しています。

仏壇に骨壺が置かれているなら、先に遺骨の行き先を決める

仏壇の下や脇に骨壺が置かれたままになっている家があります。

この遺骨を墓や納骨堂へ納めるなら、現在の保管場所がある市区町村が発行する改葬許可証が要ります(墓地、埋葬等に関する法律5条)。

申請には受け入れ先の受入証明書が必要なので、受け入れ先を決めないと申請そのものができません。

遺骨の一部を手元に残すなら、分骨証明書という別の書類になります。

仏壇の処分日だけ先に決めると、遺骨の置き場所がなくなります。

仏壇処分の依頼先は3タイプ|寺・仏具店・回収業者で確かめる点が違う

依頼できる相手は寺院、仏壇店・仏具店、遺品整理や不用品回収を行う業者の3タイプです。どこも「仏壇処分」を掲げていますが、得意な工程が違うため、電話で聞くべきことも変わります。

依頼先供養(閉眼供養)運び出しと廃棄電話で確かめること
菩提寺・寺院読経を直接依頼できる寺が運ぶとは限らない引き取りまで頼めるか、引き取った仏壇をどう処理するか
仏壇店・仏具店僧侶の手配を含む場合がある自社便または提携業者買い替えが条件か、引き取りだけでも受けるか、運ぶのはどの会社か
遺品整理・不用品回収業者提携寺院での合同供養という形をとる会社がある本業として行う一般廃棄物収集運搬業の許可の有無、許可を出した市区町村名

菩提寺に頼むときは、離檀の話と混ぜない

閉眼供養だけを頼むのか、檀家をやめる話まで含むのかで、寺との会話はまったく別のものになります。

仏壇を引き払うと伝えると、寺側は墓もどうするのかと受け取ることがあります。

仏壇の供養だけを頼みたいなら、その旨をはじめに言ってください。

お墓は当面そのままにするのか、いずれ墓じまいも考えているのかを自分の中で決めてから電話をかけると、話が絡まりません。

なお離檀料には法律上の支払義務を定めた規定がなく、相場として断定できる公的な統計もありません。

請求された場合は、金額と根拠を書面で示してもらってください。

墓のほうを先に決めた人の判断材料は墓じまいで後悔した理由で解説しています。

仏壇店に頼むときは、引き取りだけを受けるかを最初に聞く

仏壇店の引き取りには、新しい仏壇の購入が前提になっているものがあります。

買い替えないなら受けない店もあれば、引き取りのみを有償で受ける店もあります。

この点を後から知ると、探し直しです。

運搬を提携業者に出す店の場合、当日に来るのは別の会社になります。

どこの会社が運ぶのか、その会社が許可を持っているかまで聞いておくと、当日に慌てません。

回収業者に頼むときは、供養が「どこで誰が」行われるかを聞く

「供養付きプラン」の中身は会社によって差があります。

提携する寺院へ運んで合同で読経してもらう形もあれば、書面の交付だけという形もあります。

自分が立ち会いたいのか、読経の証明があれば足りるのかで、選ぶ相手が変わります。

依頼先ごとの費用の目安は依頼先ごとの処分費用で解説しています。

兄弟・親族には、業者を決める前に話す

親族への連絡は、契約する前に済ませてください。

決まったあとの事後報告は、処分の中身ではなく順番への反発を生みます。

話すときは、仏壇をどうするかだけでなく、位牌と本尊の行き先、閉眼供養を誰に頼むか、日程の候補までを一緒に出します。

「手を合わせる場所は残す」と具体的に言えると、話が費用の話へ進みます。

反対している人がいるなら、その人に閉眼供養へ立ち会ってもらうという形の落としどころもあります。

仏壇処分を運べる業者の許可は一般廃棄物収集運搬業|古物商許可とは別物

家庭から出た仏壇は一般廃棄物です。

これを運んで処分するには、その市区町村から一般廃棄物収集運搬業の許可を受けている必要があります(廃棄物処理法7条)。

産業廃棄物収集運搬業の許可では家庭ごみを運べません。

会社のサイトに「産業廃棄物収集運搬業許可取得」とだけ書かれている場合、家庭の仏壇を運ぶ根拠にはならないので、一般廃棄物のほうを持っているか、持つ業者に委託しているかを聞いてください。

許可業者の一覧は市区町村が公表しているので、社名を照らし合わせられます。

買い取りが入るなら古物商許可と、訪問購入のルールを見る

仏具や金の仏像を買い取るには、都道府県公安委員会の古物商許可が要ります(古物営業法3条)。

処分の相談で訪問した業者が、その場で仏具や貴金属の買い取りを持ちかけることがあります。

自宅を訪問しての買い取りは特定商取引法の「訪問購入」にあたり、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。

その間は物品の引き渡しを拒めるので、迷ったらその場で渡さないでください。

書面を受け取っていない場合、8日間の起算が始まりません。

遺品整理士の資格は、許可の代わりにならない

遺品整理士は一般社団法人遺品整理士認定協会の民間資格です。

国家資格ではなく、この資格があるから廃棄物を運べるという性質のものでもありません。

作業の進め方を学んだ人がいる目印としては意味がありますが、許可の有無とは分けて見てください。

サイトに資格の記載しかなく、許可番号が見当たらない会社は、電話で許可を確認する対象です。

見積書で見るのは、内訳・追加料金の条件・処分先の3点

書面に落とすべき項目は決まっています。総額だけの見積書を受け取ったら、次の内容を書き足してもらってください。

  • 作業費・運搬費・処分費・供養料の区分と、それぞれの金額
  • 階段作業や解体が発生した場合に、いくら加算されるかという条件
  • 引き取った仏壇をどこで処理するか
  • 作業日と、キャンセルしたときの扱い

書き足しを渋る会社は、その時点で候補から外せます。会社名と許可番号を控えておくと、作業後に連絡が取れなくなったときに消費生活センターへ相談できます。

処分を決められるのは祭祀を継いだ人ですが、同意の範囲は別の話です

仏壇・位牌・墓といった祭祀財産は、相続財産の分割とは切り離して1人が引き継ぎます。

指定がなければ慣習により、それでも決まらなければ家庭裁判所が定めます(民法897条)。

相続を放棄した人でも祭祀承継者にはなれます。

つまり法律の建て付けとしては、引き継いだ1人が仏壇の扱いを決められます。

ただし、これは「親族に知らせなくてよい」という意味ではありません。

個別の事案で誰が承継者にあたるかの判断は、弁護士の領域です。

口コミの星の数では見分けられない|相談窓口に渡す境目

業者選びで勧められる方法のうち、実際には判断材料にならないものがあります。

効きにくい確かめ方

口コミサイトの星の数だけを見る方法は、仏壇処分では働きにくい確認です。

件数が少なく、比べられるほどの母数がそろわないことが多いためです。

同じ理由で、「創業◯年」「実績◯件」といった自社申告の数字も、許可の有無を代わりに保証してくれません。

電話で総額だけを聞いて安い順に並べる方法も、内訳が違うものを比べているだけで終わります。

閉眼供養が入っていない金額と、僧侶の手配まで含む金額は、そもそも別の商品です。

一括見積もりサイトで最安値を選ぶときも、比較すべきは金額ではなく、許可・内訳・処分先の3点だと考えてください。

「無料回収」の表示は、回収そのものが無料でも、積み込み後に高額な作業費を請求される形があります。

無料という語だけで判断材料にしないでください。

自治体の窓口で確かめられること

仏壇を粗大ごみとして自分で出せるかどうかは、市区町村によって扱いが違います。

受け付ける自治体もあれば、大きさや素材で断る自治体もあります。

清掃事務所やごみ担当課に電話をすれば、その場で分かります。

あわせて、一般廃棄物収集運搬業の許可業者の一覧も同じ窓口で確認できます。

業者選びの入口として、ここを先に見るのがいちばん早い確認です。

処分方法そのものの比較は寺・仏具店・業者の頼み方で解説しています。

専門家や相談窓口に渡す境目

次の状態になったら、自分で交渉を続けるより、外の窓口に持ち込む段階です。

  • 作業当日に高額な追加請求をされ、その場で支払いを求められた(消費生活センター)
  • 訪問した業者に仏具や貴金属を持ち帰られ、8日以内に取り戻したい(消費生活センター)
  • 親族が処分に反対し、誰が祭祀を承継するかで話がつかない(弁護士、または家庭裁判所の手続き)
  • 仏壇の引き出しから権利証や遺言書が出てきて、相続の手続きが動いていない(司法書士・税理士)

相続税の申告は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。

仏壇の処分と並行して相続の手続きが止まっている場合は、期限のあるほうを先に進めてください。

申告が必要かどうかの分かれ目は基礎控除と相続税の対象で解説しています。

よくある質問

仏壇を粗大ごみとして自分で出してもいいですか

市区町村によって扱いが違います。

粗大ごみとして受け付ける自治体もあれば、大きさや金具の有無で受け付けない自治体もあります。

まず清掃担当課に問い合わせてください。

なお、ごみとして出す場合でも閉眼供養は別の話です。

供養を済ませてから出すか、出さずに済ませるかは家の考え方で決まります。

閉眼供養をしないで処分すると問題がありますか

法律上の義務はありません。

ただ、供養をしていないことが後から親族に伝わると、そこから話がこじれることがあります。

親族の中に反対している人がいるなら、供養を省かずに立ち会ってもらうほうが、結果として話が早く収まります。

菩提寺がある場合は、寺との関係も含めて先に相談してください。

「無料回収」のチラシが入っていますが、頼んでも大丈夫ですか

電話をかける前に、一般廃棄物収集運搬業の許可をどの市区町村から受けているかを聞いてください。

答えられない、あるいは産業廃棄物の許可しか持っていない場合、家庭から出た仏壇を運ぶ根拠がありません。

回収そのものが無料でも、積み込んだあとに作業費や処分費を請求される形もあります。

社名と所在地、許可番号を控えてから判断してください。

位牌だけ残して仏壇を処分できますか

できます。

位牌を小型の仏壇や供養台に移す、寺に預けるといった選択があります。

寺に預けて永代供養を頼む場合は、個別に安置される年数と、その期間が過ぎたあとどう扱われるかを確認してください。

「永代」は永久という意味ではなく、施設ごとの規約で扱いが決まります。

仏壇の処分は相続人全員の同意が必要ですか

仏壇は祭祀財産で、相続財産とは別に1人が引き継ぎます(民法897条)。

法律上は引き継いだ人が決められるため、相続人全員の同意を得る手続きは定められていません。

ただ、親族に知らせないまま進めると関係が壊れることがあります。

処分の可否そのものが争いになっている場合は、弁護士に相談する段階です。

まとめ

仏壇処分の業者選びで見るのは、口コミの評価ではなく許可と書面です。

家庭から出た仏壇を運ぶには一般廃棄物収集運搬業の許可が要り、仏具を買い取るなら古物商許可という別の許可になります。

見積書に作業費・運搬費・処分費・供養料の区分と、追加料金が発生する条件、引き取り後の処理先が書かれていれば、当日の上乗せは起きにくくなります。

依頼先を探すより先に、引き出しの中身を確かめ、位牌と本尊の行き先を決め、親族には契約前に話してください。

この順番を守るだけで、あとから戻せない事態はほとんど避けられます。

ぜひ本記事の依頼先3タイプの比較表と、見積書で確かめる3点を手元に置いて、まずはお住まいの市区町村の窓口で許可業者の一覧を確認してください。

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