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仏壇の処分方法4つ|寺・仏具店・業者の頼み方を解説

仏壇の処分方法4つ|寺・仏具店・業者の頼み方を解説

仏壇の処分でいちばん最初にやるのは、引き出しと扉の奥を全部開けて、中に入っているものを出すことです。

通帳や不動産の権利証、封をしたままの遺言書が仏壇にしまわれていることがあり、自筆証書遺言は封を開けずに家庭裁判所へ持ち込む決まりになっています(民法1004条)。

中身を出し終えてから、閉眼供養(へいげんくよう)を誰に頼むか、本体をどこへ引き渡すかを順に決めます。

頼める先は菩提寺(ぼだいじ)・仏具店・専門業者・自治体の粗大ごみの4つで、供養と運び出しのどちらまで引き受けるかが違います。

本記事では、4つの依頼先への頼み方・位牌と遺骨の扱い・親族への切り出し方まで解説します。

仏壇処分は4ステップ|まず引き出しと扉の奥を全部開ける

仏壇の処分は、大きく4つの工程に分かれます。順番を入れ替えると後戻りが出るので、まず全体を見てから動くほうが早く終わります。

順番やること相手
1引き出しと扉の奥を全部開けて中身を出す自分
2処分することを親族に伝える兄弟姉妹・叔父叔母
3閉眼供養の日を決める菩提寺、または僧侶を手配するサービス
4本体を引き渡す寺・仏具店・専門業者・自治体のいずれか

このうち日数が読みにくいのは3です。

寺の法要が重なる時期は希望日に入らないこともあり、引き渡しの業者を先に予約してしまうと日程を組み直すことになります。

実家の解体や引き渡しの日が決まっている場合は、逆算して寺へ先に連絡してください。

中身を出す前に処分の日程を決めない

仏壇の引き出しは、家の中で書類がいちばん残りやすい場所のひとつです。

通帳、印鑑、保険証券、年金手帳、不動産の権利証や登記識別情報が出てくることがあり、これらを捨てると相続の手続きが止まります。

中身を確認しないまま業者に引き渡すと、扉の裏に貼った封筒ごと運ばれていきます。

処分の予約より先に、空にする作業を済ませてください。

閉眼供養と引き取りは、別々の相手になることがある

閉眼供養は僧侶に読経してもらう儀式で、本体の運搬とは別の話です。

菩提寺が供養も引き取りも受けてくれる場合はひとつで済みますが、供養だけ引き受けて処分は受けないという寺もあります。

そのときは供養を寺に、運び出しを業者に分けて頼みます。

仏壇じまい全体の流れは仏壇じまいとは?閉眼供養から処分までの流れで解説しています。

仏壇処分の依頼先は寺・仏具店・専門業者・自治体の4つ

どこに頼むかで、供養まで面倒を見てもらえるか、家から運び出してもらえるかが変わります。まず全体を並べます。

依頼先閉眼供養運び出し向いている場合
菩提寺本来の依頼先寺による先祖代々の付き合いがある寺がある
仏具店僧侶の手配を受ける店もあるあり小さい仏壇へ買い替える/処分だけの引き取りを受けている店が近くにある
専門業者・遺品整理業者提携僧侶の手配を案内する業者もあるあり実家の片づけと同時に進める
自治体の粗大ごみなしなし(自分で出す)供養を済ませた後の本体だけを出す

菩提寺に頼む

付き合いのある寺があるなら、最初の連絡先はここです。

宗派に沿った作法で閉眼供養をしてもらえますし、位牌や過去帳をそのままお焚き上げに回してもらえることもあります。

電話では、仏壇の大きさと置いてある部屋の階、位牌が何体あるか、遺骨があるかどうかを伝えてください。

お布施の額を寺の側から示さないことも多く、そのときは「同じお願いをされた方はどのくらい包まれていますか」と聞き方を変えると答えが返ってくる場合があります。

仏具店に頼む

買い替えを伴う場合は、購入する店が古い仏壇を引き取る仕組みを持っていることがあります。

処分だけを受けるかどうかは店によって違うので、電話の段階で確認してください。

搬出に慣れているのが強みで、金箔や漆の部分を傷めずに解体します。

仏壇を納入した店が分かるなら、扉の裏や引き出しの底に店名の札が残っていないか探してみてください。

仏壇処分の専門業者・遺品整理業者に頼む

実家を空にする作業と一緒に進めるなら、家財ごと引き受ける業者が現実的です。

ここで確かめるのは許可の種類になります。

家庭から出た不用品を運んで処分するには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。

産業廃棄物収集運搬業の許可では家庭ごみを運べません。

遺品整理士は一般社団法人遺品整理士認定協会の民間資格で、これがあれば廃棄物を運べるというものではないため、資格の有無とは別に許可を見てください。

仏壇処分を頼む業者の選び方では、供養の有無と許可の確認方法を解説しています。

自治体の粗大ごみに出す

市区町村によっては、仏壇を粗大ごみとして受け付けています。

ただし受け入れの可否、サイズの上限、解体が必要かどうかは自治体ごとに違うので、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

受け付けてもらえる場合でも、収集場所まで運ぶのは自分の仕事になります。

台付きの仏壇は大人2人でも動かしにくく、2階から下ろす作業が加わると難易度が上がります。

閉眼供養は別に頼むことになる点も含めて、供養を済ませた後の選択肢として考えるのが現実的です。

引き出しから出てきた通帳と遺言書は、処分の前に別に保管する

中身を出す作業は、仏壇の処分というより相続の準備に近い工程です。出てきたものを3つに分けてください。

  • 手続きに使うもの(通帳・キャッシュカード・保険証券・年金手帳・権利証・印鑑と印鑑登録証・有価証券・借用書)
  • 供養の対象になるもの(位牌・過去帳・掛け軸・遺影・写経)
  • 本体と一緒に処分してよいもの(古い線香・ろうそく・花立て・使わない仏具)

封のある遺言書は開けずに家庭裁判所へ

自筆証書遺言と秘密証書遺言は、家庭裁判所の検認を受ける決まりです(民法1004条)。

封を開けずにそのまま持ち込んでください。

公正証書遺言と、法務局の自筆証書遺言書保管制度を使ったものは検認が要りません。

制度は2020年7月10日に始まり、保管申請の手数料は1件3,900円です。

遺言書や権利証が出てくると、そこから相続の期限が動き出します。

相続放棄は自分が相続人だと知った時から3か月、相続税の申告と納付は相続の開始を知った日の翌日から10か月です。

不動産の相続登記は取得を知った日から3年以内で、2024年4月1日より前に相続した不動産も対象になり、その場合の期限は2027年3月31日になります。

申告が要るかどうかの入口は相続税は誰にかかる?基礎控除3,600万円が分かれ目になるで解説しています。

位牌と過去帳は、仏壇と同時に手放さなくてもよい

仏壇を処分しても、位牌を残す選択はできます。

小さな仏壇に買い替えて位牌だけ移す、寺の位牌堂に納める、菩提寺でお焚き上げにしてもらうという分かれ方になります。

過去帳には先祖の戒名と没年が書かれていて、代わりのきかない記録です。

手放す前に全ページを撮影しておくと、後から法要の日付を確認できます。

仏壇に遺骨が置かれていたとき

骨壺が仏壇の下や横に置かれていることがあります。

遺骨は仏具ではないので、業者に本体と一緒に渡さないでください。

墓地に埋蔵されている遺骨を別の場所へ移すには、現在の墓地がある市区町村が発行する改葬許可証が要ります(墓地、埋葬等に関する法律5条)。

手元にある遺骨を新しく墓地や納骨堂へ納める場合に何を求められるかは、受け入れ先の管理者と市区町村で扱いを確認してください。

遺骨の一部を手元に残すなら、墓地管理者または火葬場が出す分骨証明書が別に必要になります。

納骨先を新しく探すなら永代供養とは?種類ごとの違いと向いている人で種類ごとの違いを解説しています。

寺・仏具店・業者への頼み方と、時期をいつに合わせるか

電話やメールで最初に伝える内容が足りないと、見積もりが出ないか、後から金額が変わります。問い合わせの段階で次の4つを手元に用意してください。

  • 仏壇の高さ・幅・奥行きの実寸(台付きか、たんすの上に置く上置きか)
  • 置いてある部屋の階と、エレベーターや階段の幅
  • 位牌・過去帳・掛け軸の点数
  • 閉眼供養を同じ相手に頼むのか、寺で済ませてから引き渡すのか

見積もりは費目の内訳まで出してもらう

仏壇処分の総額は、仏壇の大きさ、搬出の階数と経路、解体が要るかどうか、供養を含むかどうか、出張の距離で変わります。

電話口で総額だけを言う相手には、この5つのどれがいくらなのかを書面で出してもらってください。

訪問して現物を見ないまま出た金額は、当日に「思ったより大きかった」と増えることがあります。

依頼先ごとの費用の考え方は仏壇の処分費用はいくら?依頼先ごとの目安で解説しています。

仏壇処分の時期に法律上の期限はない

仏壇の処分そのものに、いつまでという法律の定めはありません。実務では、四十九日や一周忌などの法要に合わせて僧侶に来てもらう、実家の売却や解体の日程から逆算する、という決め方になります。

期限が関わるのは仏壇ではなく、実家のほうです。

相続した空き家を売ったときの譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例は、1981年5月31日以前に建築された家屋であることなどの要件があり、2027年12月31日までの譲渡が対象になります。

相続人が3人以上の場合、2024年1月1日以降の譲渡では1人あたり2,000万円に下がります。

家を売る日程が先に決まるなら、仏壇の引き取りはその前に終わらせておくことになります。

仏壇処分で止まるのは、叔父叔母への切り出しと位牌の行き先

手続きそのものは4ステップで終わります。それでも数年動かない家があるのは、手続き以外のところで止まるからです。

法律上は1人で決められるが、事後報告だと関係が壊れる

仏壇・位牌・墓などの祭祀財産は相続財産とは別の扱いで、1人が引き継ぎます(民法897条)。

指定がなければ慣習により、それでも決まらなければ家庭裁判所が定めます。

相続を放棄した人でも祭祀承継者にはなれます。

つまり、承継した人が処分を決めること自体に他の親族の同意は要りません。

ただ、実家の仏壇に長年手を合わせてきた叔父や叔母が、処分を事後に知って強く反発する例があります。

伝える順番は、まず兄弟姉妹、次に親の兄弟です。

話すときは「処分していいか」と聞くのではなく、「誰も守れなくなったので、位牌は寺に納めて仏壇は引き取ってもらう」と、行き先まで決めた形で伝えてください。

行き先が決まっていない相談は、反対だけが返ってきます。

家族でお金と役割をどう分けるかは墓じまいの費用は誰が払う?兄弟で揉めないための決め方で解説しています。

仏壇を処分しても、檀家をやめたことにはならない

仏壇の処分と離檀は別の話です。

仏壇を手放しても墓が寺にあるなら檀家の関係は続きますし、逆に離檀しても仏壇は残せます。

ここを一緒にして「仏壇を処分したいので檀家もやめます」と切り出すと、話が墓の移転まで一気に広がります。

離檀料には法律上の支払義務を定めた規定がありませんが、実際に請求される例はあるため、求められた場合は金額と根拠を書面で確認してください。

「無料回収」のトラックに渡さない

仏壇を無料で引き取ると声をかけてくる回収業者には、一般廃棄物収集運搬業の許可が無いことがあります。

無許可の業者に渡すと、不法投棄されても追えません。

作業前に会社名と許可番号を控えておけば、連絡が取れなくなったときに消費生活センターへ相談できます。

なお、業者が自宅を訪問して仏具や骨董を買い取る「訪問購入」は、契約書面を受け取った日から8日間クーリング・オフでき、その間は物品の引き渡しを拒めます。

仏壇を自分で運ぶか、専門業者に任せるか

費用を抑えたいなら自治体の粗大ごみ、手間を減らしたいなら業者、という分かれ方になります。判断の材料は金額だけではありません。

確かめること自分で出す場合業者に任せる場合
搬出階段・玄関の幅を実測して、2人以上で運ぶ養生と搬出を含む
解体自治体の指定サイズまで分解する現地で解体する業者が多い
分別金具・鏡・ガラスを外して別に出す業者側で分別する
供養別に寺へ依頼する提携僧侶の手配を案内する業者もある

自分で出せるのは、上置きの小さい仏壇で、1階から搬出でき、自治体が粗大ごみとして受け付けている場合です。

台付きで背丈ほどある仏壇を2階から下ろす作業は、階段の踊り場で向きが変わらず立ち往生します。

壁や手すりを傷つけると、実家を売る前提なら補修費のほうが高くつきます。

業者に渡す範囲と自分でやる範囲を分けるなら、中身を出すところまでを自分、本体の解体と搬出を業者、というのが現実的な線引きです。

中身の仕分けは家族にしかできませんし、ここを外注すると重要書類が紛れます。

実家をまるごと片づけるなら、仏壇単体で頼むより家財一式で見積もりを取ったほうが出張費が重なりません。

墓も同時に整理する予定があるなら、墓じまい業者の選び方で見積もりの確認項目を解説しています。

よくある質問

仏壇を処分するのに閉眼供養は必ず必要ですか

法律で義務づけられたものではありません。

宗派によっては閉眼供養という言い方をせず、作法も異なります。

ただ、供養をせずに処分したことを後から知った親族との間で気持ちの行き違いが起きることがあり、費用の面でも大きな負担にならない工程です。

菩提寺があるなら、まず寺にどうするのが通例か聞いてみてください。

菩提寺がない場合や、宗派が分からない場合はどこに頼めばいいですか

位牌に書かれた戒名の形や、過去帳の記載、仏壇の本尊から宗派を推測できることがあります。

分からないまま進めるなら、僧侶を手配するサービスや、供養に対応する仏壇処分の業者に相談する方法があります。

依頼の際は、宗派が分からないことをそのまま伝えてください。

位牌や過去帳も仏壇と一緒に処分できますか

寺でのお焚き上げや、供養に対応する業者への依頼で一緒に扱ってもらえる場合があります。

一方で、位牌だけを残して小さな仏壇や手元供養の形に移す人もいます。

過去帳は先祖の戒名と没年の記録なので、手放す前に撮影して残しておくと後の法要で困りません。

仏壇の中に骨壺がありました。どうすればいいですか

遺骨は仏具と同じ扱いにはできません。

業者に本体と渡さず、いったん手元に置いてから納め先を決めてください。

墓地に埋蔵されている遺骨を移す場合は、現在の墓地がある市区町村の改葬許可証が要ります。

手元にある遺骨を新たに納骨する場合の必要書類は、受け入れ先の管理者と市区町村で確認してください。

仏壇を処分すると檀家をやめることになりますか

なりません。

仏壇の処分と離檀は別の手続きです。

墓が寺の墓地にあるなら、仏壇を手放した後も檀家としての関係は続きます。

墓のほうも整理するかどうかは、別に決めてください。

まとめ

仏壇の処分は、中身を出す、親族に伝える、閉眼供養を頼む、本体を引き渡すという4つの工程で進みます。

順番を守る理由は単純で、引き出しの書類を先に確保しないと相続の手続きが止まり、行き先を決めずに親族へ相談すると反対だけが返ってくるからです。

依頼先は菩提寺・仏具店・専門業者・自治体の4つあり、供養まで含めるか、運び出しまで頼むかで選び分けます。

金額を比べる前に、仏壇の実寸と置いてある階、位牌の点数、供養を誰に頼むかの4点を書き出しておくと、どの相手に聞いても同じ条件で見積もりが返ってきます。ぜひ本記事の4ステップの表と依頼先の比較表を参考に、まず実家の仏壇の引き出しを開けるところから始めてください。

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