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樹木葬の納骨方法|遺骨はどう納めるかを種類別に解説

樹木葬の納骨方法|遺骨はどう納めるかを種類別に解説

樹木葬の納骨でまず確かめるのは、遺骨を骨壺ごと納める区画なのか、骨壺から出して土に納める区画なのかです。ここが決まらないと、当日に何を持って行くのかも、事前に粉骨が要るのかどうかも決まりません。

鎌倉新書の第17回お墓の消費者全国実態調査では、購入されたお墓の47.4%が樹木葬で、平均購入価格は71.7万円でした(第17回お墓の消費者全国実態調査/2026年1月時点)。選ぶ人は増えていますが、納め方の作法は施設ごとの規約に委ねられていて、契約書を読まないと分からない部分が残ります。

本記事では、遺骨の納め方によるタイプの違い・改葬許可証と受入証明書の取り方・納骨日を決める順番を解説します。

樹木葬の納骨方法は、遺骨を骨壺ごと納めるかどうかで分かれる

樹木葬の区画には、石やコンクリートの納骨室に骨壺ごと納める形と、骨壺から遺骨を出して土に直接納める形があります。

前者は後から取り出せますが、後者は土に還る作りなので戻せません。

同じ霊園の中に両方の区画が並んでいることもあり、どちらを契約したかで当日に持参するものまで変わります。

納骨までの流れは受け入れ先の契約から始まる

今あるお墓から遺骨を移すなら、動く順番は決まっています。役所へ先に行っても、添付書類がそろっていなければ改葬許可の申請は受け付けてもらえません。

順番やること相手
1区画と納め方を決めて契約する樹木葬の施設
2受入証明書を受け取る樹木葬の施設
3埋葬証明書を書いてもらう今の墓地の管理者
4改葬許可を申請して許可証を受け取る今の墓地がある市区町村
5遺骨を取り出す(必要なら墓石の撤去)墓地管理者・石材店
6改葬許可証を渡して納骨する樹木葬の施設

全体でどのくらいかかるかは、書類を出す相手の都合で決まります。

遠方の菩提寺(ぼだいじ)に埋葬証明書を頼めば往復の郵送で1週間前後、市区町村の窓口で許可証が即日出るところもあれば、後日交付になるところもあります。

火葬したばかりの遺骨をそのまま納める場合は、2から5が丸ごと要りません。

火葬場で証印を受けた火葬許可証を施設へ渡すだけで納骨できます。

骨壺のまま納める区画

樹木の周囲に納骨室を設け、その中に骨壺を置くタイプです。

個別に安置される期間が定められていて、期間が過ぎると他の遺骨と一緒に合祀(ごうし)されるのが一般的な運用になります。

契約前に見ておきたいのは、その年数と、合祀に移すときに遺族へ連絡が来るのかどうかです。

納められる骨壺の寸法が決められている施設もあります。

手持ちの骨壺が入らなければ、小さいものへ移し替えるか、施設が指定する容器を買うことになります。

区画ごとの作りの違いは樹木葬の種類ごとの違いで解説しています。

骨壺から出して納める区画

綿や麻の袋に移し替えて土に納める形と、遺骨を粉状にしてから納める形があります。

粉骨を条件にしている施設では、納骨日までに済ませる段取りになるため、業者へ依頼する時間を逆算してください。

数体をまとめて納めるときは、まとめて頼んだほうが往復の手間は減ります。

この形を選ぶと、あとから「やはり子の近くへ移したい」と思っても遺骨は戻せません。

土に還す方式かどうかは、契約書の使用規則に書かれています。

パンフレットの写真では判断できないため、申し込みの前に条文を見せてもらってください。

納骨に要る書類は、遺骨が今どこにあるかで変わる

樹木葬の施設が受け取るのは、最終的には1枚か2枚の証明書です。ただしその1枚を手に入れるまでの窓口が、遺骨の置かれている状況で違います。

火葬したばかりの遺骨を納めるとき

火葬場で証印を押して返された火葬許可証(自治体によっては埋火葬許可証という名称です)を、そのまま施設へ提出します。

骨壺の桐箱に入れたまま保管している家が多い書類です。

見当たらないときは、火葬許可証を出した市区町村に再交付を相談してください。

今あるお墓から移すとき

遺骨を別の場所へ移すには、現在の墓地がある市区町村が発行する改葬許可証が要ります(墓地、埋葬等に関する法律5条)。申請書は役所の窓口かウェブサイトで入手できて、添付するのは次の2点です。

  • 受入証明書(樹木葬の施設が発行する、遺骨を受け入れる旨の書面)
  • 埋葬証明書(今の墓地の管理者が、そこに遺骨が納められていることを証明する書面)

申請書に埋葬証明の欄が組み込まれていて、現在の墓地管理者の署名押印をもらう様式にしている自治体もあります。

様式は市区町村ごとに違うので、先に取り寄せてから墓地へ持って行くほうが二度手間になりません。

遺骨1体につき1通の申請が要るかどうかも自治体で分かれます。

祖父母と両親で4体、といった墓では、通数と手数料をあらかじめ確認してください。

許可証なしに遺骨を動かすのは違法です。

石材店が「うちで運びます」と言っても、許可証の交付前に取り出してはいけません。

厚生労働省の衛生行政報告例によると、令和4年度の改葬件数は151,076件でした。

手続きそのものは各地の役所で日常的に処理されています。

手元に置いていた遺骨や分骨を納めるとき

骨壺の一部を自宅に置いていた場合、その遺骨を納めるには分骨証明書(墓地管理者または火葬場が発行します)が使われます。

改葬許可証とは別の書類で、発行元も違います。

証明書が一枚も無い遺骨は受け入れを断られることがあるため、施設の担当者に状況を伝えて、何を出せばよいかを聞いてください。

樹木葬の納骨日は、改葬許可証が出てから決める

納骨の日取りに法律上の期限はありません。

四十九日や一周忌、お盆に合わせる家が多いものの、いつまでに納めなければならないという決まりはないので、書類がそろう時期から逆算して構いません。

むしろ、許可証が出る前に法要の日を先に押さえてしまうと、直前で動かすことになります。

申請できるのは墓地使用者。代理なら委任状が要る

改葬許可の申請者は、墓地の使用者として名義を持っている人が原則です。

名義人が亡くなっている場合は、お墓と仏壇を引き継いだ人(祭祀承継者)が申請します。

祭祀財産は相続財産とは別枠で1人が引き継ぐ決まりで、指定が無ければ慣習により、それでも決まらなければ家庭裁判所が定めます(民法897条)。

相続を放棄した人でも祭祀承継者にはなれます。

子や配偶者が代わりに窓口へ行くときは、委任状を求められることがあります。

郵送申請を受け付けるかどうかも市区町村で違うため、遠方の本籍地に墓があるなら、電話で郵送の可否と返送までの日数を聞いておくと往復を1回減らせます。

役所の窓口は基本的に平日のみです。

納骨当日は施設の予約枠で動く

樹木葬の施設は、納骨の立会いを予約制にしているところがほとんどです。

区画によっては作業を職員だけで行い、遺族は別日にお参りする運用もあります。

人数の上限、法要をその場でできるか、銘板への彫刻に何週間かかるかは、契約時に一覧で確認してください。

彫刻は納骨日に間に合わないことがあります。

墓じまいを伴う場合は、閉眼供養の日程と石材店の工事日も絡みます。どの順に押さえるかで全体の期間が変わる話は墓じまいを始めるタイミングで解説しています。

申請が止まるのは、受入証明書と親族の同意

手続きが動かなくなる場所は、書類と人間関係のどちらかに集中します。

受け入れ先が決まらないと役所は動けない

改葬許可の申請には受入証明書が要るので、樹木葬の契約が済んでいない段階では申請できません。

「まず役所で許可をもらってから、ゆっくり移す先を探そう」という順番は成立しないということです。

先に施設を決め、そこで受入証明書を出してもらうところから始めてください。

もう一つ止まりやすいのが埋葬証明書です。

寺院墓地の場合、離檀の話と切り離せません。

離檀料には法律上の支払義務を定めた規定がなく、公的な相場の統計もありませんが、実際に請求される例はあります。

金額と、何に対する費用なのかを書面で示してもらい、その場で決めずに持ち帰ってください。

証明書の発行を拒まれて話が進まないときは、市区町村の生活衛生担当窓口に相談する道があります。

叔父や叔母には、決定ではなく資料を持って行く

法律上、改葬に必要なのは祭祀承継者1人の判断です。

それでも実際に揉めるのは、聞いていなかったという一点からになります。

切り出す前に手元へ置くのは次の3点です。

  • 現在のお墓の写真(草の状態や、外柵の傷みが分かるもの)
  • 年間管理料の請求書と、墓参りに行った回数が分かるもの
  • 候補にしている樹木葬の資料(個別安置の年数と、合祀後の扱いが書かれた部分)

「もう決めた」と伝えると反発が返りますが、「このままだと自分の代で管理できなくなる」という事実から話すと、相手も同じ問題を見ることになります。

先祖に申し訳ないという気持ちは、親族の側にも自分の側にもあるものです。

その気持ちを打ち消す必要はなく、供養を続ける方法として何が残るかを並べるほうが話が進みます。

合祀されたあとは取り出せない

「永代供養」は永久の個別安置という意味ではありません。

多くの施設では三十三回忌や十七回忌までを個別に安置し、その後は他の遺骨と一緒に合祀されます。

合祀された遺骨は特定できなくなるため、後から一部だけを返してもらうことはできません。

仕組みの全体像は永代供養の種類と向いている人で、契約前に見落としやすい条件は樹木葬で後悔した理由で解説しています。

樹木葬の納骨を自分でやる範囲と、業者に渡す範囲

書類の部分は、ほぼ自分で済みます。

受入証明書を受け取り、墓地管理者に埋葬証明書を頼み、市区町村へ改葬許可を申請するまでは、手数料以外の費用がかかりません。

平日に動ける日が数日取れるなら、外部に頼む理由は薄いといえます。

専門の手を借りるのは、遺骨と石を物理的に動かす部分です。

墓石の撤去と遺骨の取り出しは石材店の作業で、費用は区画の面積、外柵とカロートの量、重機が入れるかどうか、搬出経路の長さで決まります。

同じ寸法の墓でも、参道が狭く手作業になる区画では金額が変わるため、現地を見てもらわないと見積もりは出ません。

長く土の中にあった遺骨は湿っていることが多く、洗浄と乾燥を頼む場合も別料金になります。

平日にまとまった時間が取れない、墓が遠方にあって何度も行けないという事情があるなら、改葬手続きの代行を行政書士に依頼する方法もあります。

その場合も、受け入れ先を選ぶ判断と親族への説明は自分の仕事として残ります。

契約そのものにかかる費用の考え方は樹木葬の費用の内訳で解説しています。

よくある質問

樹木葬に骨壺のまま納骨できますか

区画によります。

納骨室を持つタイプなら骨壺のまま納められますが、土に還す方式では骨壺から出します。

骨壺のまま納められる場合も、寸法の上限が決められていることがあるため、契約前に手持ちの骨壺のサイズを伝えて確認してください。

火葬したその日に樹木葬へ納骨できますか

制度の上では、火葬許可証に証印を受けていれば納骨できます。

実際には施設の予約枠と職員の立会いが要るので、火葬場から直行できるかどうかは施設の運用次第です。

日程を先に相談してください。

改葬許可証は遺骨1体につき1通必要ですか

市区町村で扱いが分かれます。

1体ごとに申請書と手数料が要る自治体もあれば、1通にまとめて記載できる自治体もあります。

古い墓では何体が納められているか分からないこともあるため、墓地管理者に埋葬の記録を確認したうえで役所に問い合わせてください。

自宅に置いていた遺骨を、あとから樹木葬に納められますか

受け入れている施設なら可能です。

その際は分骨証明書などの、その遺骨がどこから来たかを示す書類を求められます。

手元供養に移した経緯を施設に説明し、どの書類を用意すればよいかを先に聞いておくと、当日に断られずに済みます。

樹木葬に納骨したあと、別のお墓へ移せますか

個別に安置されている期間中で、骨壺のまま納められているなら、改葬の手続きを踏んで移せる場合があります。

土に納めたあとや合祀されたあとは取り出せません。

将来子どもの近くへ移す可能性を残したいなら、契約前に施設へ改葬の可否を確認してください。

まとめ

樹木葬の納骨で順番を間違えやすいのは、受け入れ先を決める前に役所へ行ってしまう点です。

改葬許可の申請には受入証明書と埋葬証明書の2つが要り、どちらも自分では作れません。

施設との契約、墓地管理者への依頼、市区町村への申請という順で動けば、手続き自体は止まらずに進みます。

残るのは、骨壺のまま納めるのか土に還すのかという一度きりの選択と、親族にどう伝えるかです。ぜひ本記事の納骨までの流れの表と、叔父叔母に見せる3つの資料を参考に、施設へ問い合わせる前の準備を進めてください。

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