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特殊清掃業者の選び方|見積もりで確かめたい項目を解説

特殊清掃業者の選び方|見積もりで確かめたい項目を解説

電話で問い合わせると「見てみないと分かりません」と言われ、訪問した担当者は総額だけを口頭で伝えます。

費目の内訳は出てきません。

特殊清掃業者を選ぶときに最初に確かめるのは金額ではなく、市区町村が出す一般廃棄物収集運搬業の許可です。

家庭から出た家財を運んで処分するにはこの許可が要り、産業廃棄物収集運搬業の許可では運べません。

買い取りが入るなら、都道府県公安委員会の古物商許可も別に必要です。

賃貸の解約期限が迫っていても、ここを飛ばした業者に任せると、処分先をたどれない家財の後始末が依頼した側に戻ってきます。

本記事では、見積書で確かめる許可と費目、捨てる前に探す通帳や権利証、大家や兄弟への伝え方を解説します。

特殊清掃業者とのもめごとは、追加料金・作業範囲・処分先の3タイプに分かれる

同じ「業者と揉めた」でも、中身は3つに分かれます。

どれに当たるかで、次に用意するものが変わります。

見積書を手元に置いて、どのタイプかを先に決めてください。

作業後に金額が増える追加料金タイプ

電話や短い訪問で概算を出し、作業が始まってから「臭いが残るので消臭をもう一度」「床下まで及んでいた」という理由で金額が上がる形です。

作業そのものが不要とは言えないため、事後に争うと話が平行線になります。

分かれ目は、増えた作業が当初の見積書のどの費目に入っていたかを示せるかどうかです。

費目が「作業一式」だけの見積書では、追加なのか当初分なのかを誰も判定できません。

どこまでが清掃かが決まっていない作業範囲タイプ

床材の張り替え、壁の下地の交換、建具の交換は、清掃ではなく原状回復の工事にあたります。

賃貸なら貸主が負担する部分と借主側が負担する部分の線引きが絡むため、業者との話と大家との話が混ざって動かなくなります。

持ち家でも、解体や改修まで一社に任せると、見積書の中で清掃費と工事費が一体になり、あとから切り分けられません。

運び出した家財の行き先が分からない処分先タイプ

許可を持たない業者に家財を渡すと、どこへ運ばれたかを確認できません。

「無料回収」を名乗るトラックは、この一般廃棄物収集運搬業の許可が無いことが多いと指摘されています。

買い取り分についても、何をいくらで引き取ったのかが書面に残らないと、兄弟に説明できません。

作業前の家財の写真と、許可番号の控えがあるかどうかで、後から追える範囲が決まります。

業者を呼ぶ前に、通帳と権利証を探しておく

片付けの順番で取り返しがつかないのは、書類を先に処分してしまう場面です。

運び出された後では戻りません。

遠方から通っていて現地にいられる時間が短い場合でも、次のものだけは自分の目で確認してから作業日を決めてください。

  • 通帳・キャッシュカード
  • 保険証券
  • 年金手帳
  • 不動産の権利証と登記識別情報
  • 遺言書
  • 印鑑と印鑑登録証
  • 貸金庫の鍵と契約書
  • 有価証券・借用書

遺言書が封をした自筆証書だった場合、開けずにそのまま家庭裁判所へ持ち込みます。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は検認が必要で、公正証書遺言と法務局の保管制度を使ったものは検認が要りません。

現場で封を切ると、後の手続きが面倒になります。

家財に手をつける前に相続放棄を考えるかどうかを決める

借金の有無が分からないうちに家財を売ったり処分したりすると、相続財産を処分したものとみなされて相続放棄ができなくなることがあります。

放棄の期限は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月です。

亡くなった日からではありません。

期間内なら家庭裁判所へ伸長の申立てもできます。

放棄を検討する余地があるなら、家財の処分を止めたうえで弁護士か司法書士に状況を伝えてください。

供養が要るものと、ただの家財を分けておく

仏壇・位牌(いはい)・遺影・神棚・人形は、他の家財と同じ袋には入れられません。

墓や仏壇などの祭祀(さいし)財産は相続財産とは別に1人が引き継ぐ扱いで、相続放棄をした人でも承継できます。

誰が引き取るのか、引き取らないならお焚き上げ(おたきあげ)を寺院と業者のどちらに頼むのかを、作業日より前に決めておきます。

作業当日に判断させられると、そのまま廃棄物に回されます。

どこから手をつけるかの順番そのものに迷っている場合は、遺品整理を始める順番で解説しています。

特殊清掃業者の見積書で確かめる項目は、許可番号と費目の内訳

口コミの星の数では、許可の有無は分かりません。書面と番号で確かめられる項目が4つあります。

一般廃棄物収集運搬業の許可は作業する市区町村のもの

家庭から出た不用品を運んで処分するには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。

この許可は市区町村ごとに出るため、隣の市の許可では現場の家財を運べません。

自社に許可が無い業者が、許可を持つ処分業者へ引き渡す形を取っている場合もあります。

その場合は、どこへ引き渡すのかを見積書か作業計画に書いてもらってください。

買い取りが入るなら古物商許可

家電や家具を買い取って差し引くなら、都道府県公安委員会の古物商許可が別に必要です。

産業廃棄物収集運搬業の許可は事業所から出た廃棄物のためのもので、これだけでは家庭ごみを運べません。

「産廃の許可があります」という説明で足りていないのは、この点です。

遺品整理士は民間資格で、許可の代わりにならない

遺品整理士は一般社団法人遺品整理士認定協会の民間資格です。

国家資格ではなく、これがあれば廃棄物を運べるわけでもありません。

資格の有無は許可の有無とは別の欄として見てください。

費目が分かれているかどうかで、追加の是非が判定できる

「特殊清掃一式」と書かれた見積書は、金額が妥当かどうかを誰も検証できません。少なくとも次の費目に分かれているかを見ます。

費目見積書で確かめること
作業人数と日数何人が何日入る前提か。増えたときの単価
消臭・消毒回数が含まれているか。再施工は追加か当初分か
家財の搬出量の見立て(部屋数・トラック台数)と、階数やエレベーターの有無
廃棄物の処分費搬出費と分かれているか。引き渡す処分業者名
床材や壁の解体清掃費と分かれているか。原状回復工事に該当する部分
買い取り品目と金額の明細。差し引き後の総額
追加が発生する条件どの状態になったら、いくら増えるのか

金額の水準そのものは、部屋の広さ・家財の量・階数・作業日数で動きます。

どの変数でいくら動くのかは特殊清掃の費用が決まる仕組みと保険の確認先で解説しています。

作業が始まってからの流れと立ち会いの要否は依頼から作業完了までの手順で解説しています。

大家に出すのは見積書、兄弟に出すのは家財の写真と残額

相手が変わると、持っていく紙も変わります。同じ説明を全員に繰り返しても、決まりません。

大家・管理会社には着手前の写真と見積書の写しを渡す

賃貸の場合、清掃と原状回復のどこまでを借主側が負担するかは、賃貸借契約と現場の状態で決まります。

そのため、作業を始める前に部屋の状態を写真で残し、業者の見積書の写しを管理会社へ渡して、負担の線引きを文書でやり取りしてください。

解約期限を先に伸ばせるかどうかも、同じ場で聞いておきます。

作業を終えてから請求額を突き合わせると、写真が無いために言い分を裏づけられません。

兄弟には総額ではなく費目と残額を出す

費用を誰が出すかで止まるのは、金額の話が感情の話にすり替わるからです。

総額だけを伝えると「高い」「なぜ勝手に頼んだ」で終わります。

出すのは費目が分かれた見積書と、作業前の家財の写真、それに故人の預金の残額です。

立て替える場合は、誰が何を払ったかを日付と金額で記録しておきます。

費用の負担の決め方は片付け費用を誰が払うかの決め方で解説しています。

寺院には日程と方法を先に確認する

仏壇や位牌のお焚き上げを寺院に頼むなら、預ける日と、こちらが用意するもの、費用の扱いを先に聞いてください。

作業日の前に引き取ってもらえないと、当日の判断で廃棄物へ回ります。

業者側で供養を請け負う場合も、どこで誰が行うのかを確認しておくと、兄弟に説明できます。

相見積もりを取るだけでは特殊清掃業者を比べられない

よく勧められる対処のうち、実際にはあまり進まないものがあります。

3社に電話するだけでは、金額が並ばない

各社が別の前提で見積もると、内訳の粒度が違って比較になりません。

部屋の間取りと広さ、階数とエレベーターの有無、家財の量、希望する作業日、供養が必要なものの点数を1枚の紙に書いて、同じ条件で出してもらってください。

現地を見ずに総額だけを答える会社は、その時点で候補から外せます。

口コミの星の数では許可を確認できない

評価の高さは、許可の有無や見積書の書き方とは別の話です。会社名・所在地・許可番号を控えて、市区町村の廃棄物担当の窓口で許可業者の一覧を確認するほうが早く決まります。

その場で契約を急かされたときの扱い

業者が自宅を訪問して物品を買い取る「訪問購入」は、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。

その間は物品の引き渡しを拒めます。

契約書面を受け取らないまま買い取り品を渡してしまうと、起算日そのものを示せません。

作業を急ぐ状況でも、書面を受け取るまでは物を出さないでください。

専門家や窓口に渡す境目

自分で交渉を続ける段階と、外に渡す段階は条件で分かれます。

  • 作業後に連絡が取れない、または処分先を説明しない場合は、市区町村の廃棄物担当の窓口と消費生活センターに相談します
  • 相続放棄を検討する余地があるなら、家財の処分を止めて弁護士か司法書士に相談してください
  • 原状回復の負担割合で貸主と折り合わない場合は、弁護士の領域になります
  • 遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそうなら、税理士に相談する段階です。相続税の申告と納付は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です

着手の時期そのものを決めかねている場合は、発見後の流れといつから始めるかで解説しています。作業の中身をまだ把握していないなら、特殊清掃で行う作業の範囲で解説しています。

よくある質問

特殊清掃業者はどこで探せばいいですか

検索で見つけた会社をそのまま比べるのではなく、会社名と所在地、許可番号を控えてから、作業する市区町村の廃棄物担当窓口で一般廃棄物収集運搬業の許可業者を確認する方法があります。管理会社が指定の業者を持っている場合もあるため、賃貸なら先に聞いてください。

見積もりは何社から取ればいいですか

本数よりも、同じ条件で出してもらうことが先です。

間取りと広さ、階数、家財の量、希望する作業日、供養が要るものを書いた紙を渡し、費目が分かれた見積書で返してもらいます。

総額だけの回答は、比較の材料になりません。

「無料回収」と言われた家財を渡してもいいですか

渡す前に一般廃棄物収集運搬業の許可を確認してください。

家庭から出た家財を運んで処分するにはこの許可が必要で、産業廃棄物収集運搬業の許可では運べません。

無料をうたうトラックはこの許可が無いことが多いと指摘されており、処分先をたどれなくなります。

遺品整理士の資格がある業者なら安心ですか

遺品整理士は民間資格で、廃棄物を運ぶ権限とは関係がありません。

資格の欄と、許可の欄は別に確認します。

買い取りが入るなら古物商許可もあわせて見てください。

作業後に追加料金を請求されました。払う必要がありますか

当初の見積書にその作業が含まれていたかどうかで、話の進め方が変わります。

まず見積書と契約書面、作業前後の写真、追加の理由を書いた書面をそろえてください。

そのうえで折り合わない場合は、消費生活センターに相談できます。

個別の支払い義務の判断は、書面を見た弁護士の領域になります。

片付けを始めると相続放棄ができなくなりますか

相続財産を処分したとみなされると、放棄が認められなくなることがあります。

放棄の期限は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月です。

借金の有無が分からない段階では家財の処分と売却を止めて、期限内に家庭裁判所か弁護士へ相談してください。

まとめ

特殊清掃業者ともめる原因は、追加料金・作業範囲・処分先のどれかに落ちます。

3つとも、見積書に費目が分かれているか、許可番号を出せるか、作業前の写真が残っているかで、あとから検証できるかどうかが変わります。

時間に追われていても、通帳・保険証券・権利証・遺言書・貸金庫の鍵を自分の目で確認するまでは、搬出の日を決めないでください。

大家には着手前の写真と見積書の写し、兄弟には費目と預金の残額、寺院には預ける日と方法を持っていきます。

相手ごとに渡す紙が違うだけで、話の進み方は変わります。

ぜひ本記事の見積書で確かめる費目の表と許可の確認項目を参考に、最初の1社に渡す条件を書いた紙を用意してください。

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