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生前整理を頼む業者の選び方|遺品整理業者との違いも解説

生前整理を頼む業者の選び方|遺品整理業者との違いも解説

生前整理の業者に見積りを頼むと、金額を動かすのは家財の量と、運び出す経路の2つです。

電話口で総額だけを言ってくる会社もありますが、その数字は当日に動きます。

動いた分を追加請求できるかどうかは、見積書に費目の内訳と追加の条件が書いてあるかで変わります。

そして業者を呼ぶ前に、家族の側で済ませておく作業があります。

通帳や不動産の権利証が家財ごと処分されると、相続の手続きがそこで止まってしまいます。

捨てる前に探すほうが、あとから探すよりはるかに早いです。

本記事では、生前整理業者と遺品整理業者で変わる点・作業前に抜き出しておく書類・見積書で確かめる許可番号と追加料金の条件を解説します。

生前整理の業者選びでもめるのは、作業量・追加料金・買取の3か所

業者との食い違いは、人柄や相性で起きているわけではありません。

見積りの時点で数字が確定していない項目が3つあり、そこが当日に動くために起きます。

自分の家がどれに当たるかを先に見分けておくと、見積りの場で聞くことが決まります。

本人が指示できるかどうかで、生前整理と遺品整理は別の作業になる

生前整理は、持ち主が元気なうちに本人の指示で仕分ける作業です。

何を残すか、売ってよいか、仏壇をどうするかを本人に確認できます。

一方、亡くなったあとの片づけは遺品整理で、財産価値のあるものを誰が処分してよいかという問題が先に立ちます。

同じ会社が両方の看板を出していることは多いのですが、頼む側の準備は別物です。

とくに、相続放棄を考えている段階で家財を処分すると、相続財産に手をつけたものとみなされて放棄ができなくなる場合があります。

放棄の申述は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内です。

亡くなった日からではありません。

四十九日や賃貸の解約で急かされていても、この判断だけは片づけより先に置いてください。

亡くなったあとの片づけの順番は遺品整理を何から始めるかで解説しています。

見積りの量が合わないのは、押し入れの奥と屋外の物置

訪問見積りで業者が見るのは、基本的に開けて見せた場所だけです。

押し入れの奥や天井裏、屋外の物置、ベランダの物入れは、当日になって初めて中身が分かります。

トラック何台という数え方で見積っている場合、積み切れなければ二便目の車両費と人件費が乗ります。

見積りのときに扉を全部開けて見せたかどうかを思い出してみてください。

開けていない場所があるなら、量の食い違いはそこから出ます。

追加料金は、増える条件が書面にないときに膨らむ

総額だけの見積書で怖いのは、どこまでがその金額に含まれるのかが読み手に分からないことです。次のような作業は、別料金として扱われることがあります。

  • エアコンや照明器具の取り外し
  • テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど家電リサイクル法の対象品の処理
  • 家の前に停められず、離れた場所から手で運ぶ搬出
  • エレベーターのない2階以上からの階段作業
  • 金庫やピアノ、仏壇のような重量物
  • 床や壁の簡易清掃、畳の処分

これらが含まれるのか別なのかを、口頭ではなく見積書の面で確かめます。「含まれます」と言われたら、その一文を書き足してもらってください。

買取と処分費の相殺は、内訳が出ないと確かめられない

「買い取れるものがあるので、その分を引きます」という説明は、処分費と買取額の両方が別々に書かれていて初めて検算できます。

総額から相殺後の金額だけを見せられると、何をいくらで買われたのかが分かりません。

着物や骨董、時計、古い家具は、持ち主が思っているより値が付く場合もあれば、まったく付かない場合もあります。

金額の妥当性は素人には判断できませんから、せめて品目と単価が書かれた明細を求めます。

生前整理の作業日までに抜き出す|通帳・権利証・遺言書

業者に頼むと決めた日から作業日までにやることは、掃除ではありません。処分すると相続の手続きが止まる書類を、先に自分の手元へ集めます。

処分されると手続きが止まる書類と貴重品

  • 預金通帳とキャッシュカード
  • 生命保険・損害保険の証券
  • 年金手帳と年金関係の通知
  • 不動産の権利証、登記識別情報の通知
  • 遺言書
  • 実印・銀行印と印鑑登録証
  • 貸金庫の鍵と契約書
  • 株式や投資信託の取引報告書などの有価証券関係
  • 借用書、ローンの契約書

探す順番に迷ったら、仏壇の引き出し、寝室のたんすの最上段、押し入れの奥にある菓子の缶や紙袋、本棚の本の間から見てください。

封筒に入ったままの保険証券や、通帳と印鑑が別の部屋に分かれて保管されていることがあります。

本人が元気なら、処分の相談よりも先に「どこに何があるか」を一緒に確認するほうが話が進みます。

あわせて、家の中を部屋ごとに写真で撮っておきます。

作業後に「あれはどこへ行ったのか」と兄弟から聞かれたとき、写真があれば話が早く終わります。

手をつける順番そのものに迷っている場合は、生前整理を何から手をつけるかで解説しています。

遺言書は封を開けずに家庭裁判所へ持ち込む

自筆証書遺言と秘密証書遺言は、家庭裁判所の検認を受ける必要があり、封を開けずに持ち込みます。

公正証書遺言と、法務局の自筆証書遺言書保管制度を使ったものは検認が要りません。

封のある遺言書が出てきたら、その場で中を見たい気持ちは抑えて、封筒ごと別に保管してください。

片づけの現場で開けてしまうと、あとから他の相続人に疑われる材料になります。

生前整理業者の見積書は、許可番号と追加条件の2点で見分ける

業者選びを口コミで決められないのは、良い評価も悪い評価も、自分の家の条件とは違う作業についての感想だからです。誰にでも同じように確かめられるのは、許可を持っているかと、書面がどこまで具体的かの2点です。

許可は市区町村と公安委員会の2か所から出る

家庭から出た不用品を運んで処分するには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

買い取るなら、都道府県公安委員会の古物商許可です。

産業廃棄物収集運搬業の許可では、家庭ごみを運べません。

「無料回収」を名乗って住宅街を回るトラックは、この一般廃棄物の許可を持っていない例が多く、渡した家財が不法投棄されれば依頼した側も説明を求められます。

確かめることどこで確認できるか
一般廃棄物収集運搬業の許可作業する市区町村の廃棄物担当課。許可業者の一覧を公表している自治体が多い
古物商許可許可番号を業者に確認する。買取をする場合に必要
自社で運ぶのか、提携先に回すのか見積書と契約書の事業者名。運搬を別会社が行う場合はその社名と許可
遺品整理士などの民間資格認定団体の資格。廃棄物を運ぶ許可とは別のもの

遺品整理士は一般社団法人遺品整理士認定協会の民間資格で、国家資格ではありません。持っているから廃棄物を運べるという性質のものではないため、許可の有無とは分けて見ます。

見積書に内訳と、金額が増える条件が書かれているか

読むべき欄は決まっています。

作業に入る人数と日数、車両の台数、処分費、買取額、そして「これ以外に費用が発生する場合」の条件文です。

この条件文がない見積書は、当日の口頭説明が契約内容になってしまいます。

相見積りを取るときも、総額の大小ではなく、同じ作業範囲で比べているかを先に見てください。

金額の幅がどこから出るのかは生前整理を業者に頼む費用の目安で解説しています。

費用を抑えたいなら、自治体の粗大ごみ収集で出せる分を先に減らす手があります。

ただし収集日が決まっているため、解約期限が近い場合は間に合わないこともあります。

申込みから収集までの日数は粗大ごみの出し方で解説しています。

親・兄弟・業者に切り出すときに持っていくもの

同じ「片づけよう」という話でも、相手が変われば持っていくものが変わります。手ぶらで感情を伝えると、たいてい平行線になります。

親には、捨てる話より先に置き場所の確認から

本人にとって家財は生活の一部で、処分の提案は生活を否定されたように響きます。

最初に頼むのは、通帳や権利証、保険証券の置き場所を教えてもらうことです。

書類の整理は本人の不利益になりませんから、反対されにくい入口になります。

家財の話は、残すものから決めていきます。

元気なうちに始めて後悔する点は生前整理のデメリットで解説しています。

兄弟には、見積書と写真を同時に出す

兄弟がもめるのは、費用の負担と、形見の行き先の2つです。

片づけを始める前に、部屋ごとの写真と見積書を全員に送り、欲しいものがあるかを期限を決めて聞きます。

「言ってくれれば取っておいた」という言い合いは、この一手でほとんど防げます。

財産価値のありそうなもの、たとえば現金や貴金属、有価証券は、勝手に処分せず分け方が決まるまで残しておきます。

業者には、立会いと貴重品の扱いを作業前に決めておく

遠方から通っていて全日立ち会えない場合は、初日の仕分けだけでも立ち会うのが現実的です。

作業中に通帳や現金が出てきたときにどう扱うか、写真を撮って連絡をもらうのか、まとめて一箱に入れておくのかを、始まる前に決めます。

追加費用が出そうになった時点で作業を止めて連絡してもらうことも、先に伝えておいてください。

待つだけでは期限に間に合わない|専門家と窓口に渡す境目

よく勧められるのに、期限が迫っている人には効きにくい進め方があります。

  • 気持ちの整理がつくまで待つ。賃貸の解約期限も相続の期限も待ってはくれません
  • 口コミの評価だけで業者を決める。他人の家の条件についての感想で、許可の有無は分かりません
  • 全部お任せにする。内訳が出ないため、他社と比べられなくなります
  • 相見積りで総額だけを比べる。含まれる作業が違えば、安いほうが高くつきます

気持ちが追いつかないときは、家全体ではなく一部屋、あるいは書類だけに範囲を絞ってください。全部を決めなくても、手続きに必要なものから手をつければ前に進みます。

司法書士・税理士・消費生活センターに渡す条件

自分でやる範囲と渡す範囲は、次の状態になったかどうかで切り分けられます。

不動産の名義が親のままなら相続登記が必要で、取得を知った日から3年以内という義務があります。

2024年4月1日より前に相続した不動産も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。

登記の手続きは司法書士の領分になります。

相続税は、基礎控除が3,000万円+600万円×法定相続人の数です。

申告と納付の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内で、控除を超えそうなら税理士に相談する段階です。

分け方そのものが相続人の間で決まらないなら、片づけを止めて弁護士に持ち込むほうが早く終わります。

業者との間で話がつかない場合、契約書と見積書を手元に置いて消費生活センターへ相談します。

訪問して買い取る「訪問購入」は、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができ、その間は物品の引き渡しを拒めます。

すでに引き渡していても、期間内なら手続きを進める余地があります。

無許可の回収が疑われるときは、作業した市区町村の廃棄物担当課が窓口です。

家ごと処分する段階に入っているなら、実家じまいを頼む業者の選び方で解説しています。

よくある質問

生前整理の見積りは無料ですか

訪問見積りが無料かどうかは会社ごとに違います。

申し込む前に、見積りの費用と、依頼しなかった場合の出張費の扱いを確認してください。

契約後のキャンセル料についても、作業日の何日前から発生するのかを書面で受け取っておくと、日程が動いたときに困りません。

遺品整理業者に生前整理を頼めますか

両方を扱っている会社は多く、頼むこと自体はできます。

違うのは頼み方です。

生前整理では本人が残すものを決められますから、仕分けの基準を作業前に本人と業者の三者で共有しておくと、当日の判断で止まりません。

親が片づけに反対しています。どう進めればいいですか

処分の話を先に出すと、多くの場合は止まります。

まず通帳や保険証券、権利証の置き場所を教えてもらうところから始めてください。

書類の場所が分かれば、いざというときに家族が困らないという説明は受け入れられやすいです。

家財の仕分けは、捨てるものではなく残すものを選ぶ形で相談します。

「無料回収」の業者に頼んでも問題ありませんか

家庭から出た不用品を運ぶには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

無料をうたうトラックはこの許可を持たない例が多く、積んだ荷を不法投棄されれば、渡した側にも説明を求められます。

買取を伴うなら古物商許可も要ります。

許可番号を聞いて答えられない相手には渡さないでください。

買い取られた品物を取り戻せますか

業者が自宅を訪問して買い取る訪問購入なら、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。

その期間中は物品の引き渡しを拒めますから、迷っているうちは渡さないという選択が取れます。

手続きの進め方は消費生活センターに相談してください。

仏壇や遺影はどう扱えばいいですか

墓や仏壇、位牌といった祭祀財産は、相続財産とは別に1人が引き継ぐ扱いです。

指定がなければ慣習によって決まり、それでも決まらなければ家庭裁判所が定めます。

処分の前に、誰が引き継ぐのかを家族で決めておいてください。

供養を業者が請け負う場合は、どこの寺院でどう供養されるのか、費用が総額に含まれるのかを確認します。

まとめ

生前整理の業者選びで確かめられるのは、許可と書面の2点です。

一般廃棄物収集運搬業の許可があるか、買取をするなら古物商許可があるか、そして見積書に人数と車両、処分費、買取額、費用が増える条件まで書かれているか。

ここを押さえておけば、当日の口頭説明で金額が動く余地は小さくなります。

そして作業を頼む前に、通帳と権利証、遺言書を自分の手元に集めてください。

処分してしまえば取り戻せず、相続の手続きがそこで止まります。

期限が迫っていても、書類だけなら一日で終わります。

ぜひ本記事の追加料金の一覧と見積書の確認項目を参考に、訪問見積りの場で聞くことを決めてから業者に連絡してください。

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