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ゴミ屋敷を片付ける方法|自力でやる手順と挫折しないコツ

ゴミ屋敷を片付ける方法|自力でやる手順と挫折しないコツ

ゴミ屋敷の片付けで最初にやるのは、ごみ袋を買いに行くことではありません。

通帳・不動産の権利証・遺言書を探すための一日を確保するところからです。

この3つを袋に入れて出してしまうと、預金の解約も相続登記も止まります。

作業に使える日数は、賃貸なら明け渡し日、相続なら手続きの期限から逆算して決まります。

しかも相続放棄を考えているなら話が変わります。

放棄の申述は自分が相続人だと知った時から3か月ですが、その前に家財を処分すると放棄できなくなることがあるためです。

本記事では、捨てる前に探すものの一覧・粗大ごみと自己搬入の使い分け・自力と業者の分かれ目を解説します。

ゴミ屋敷の片付けは5段階|最初の一日は捨てずに探す

手を動かす前に、全体をこの順番で組み立てます。

段階を入れ替えると、あとで戻れなくなる工程が2つあります。

探す工程と、粗大ごみの申込みです。

段階やることここで決まること
1明け渡し日と相続の期限をカレンダーに書き込む作業に使える日数
2通帳・権利証・遺言書などを探して回収する(捨てない)手続きが止まるかどうか
3家庭ごみ・粗大ごみ・自己搬入・残すものに分ける基準を決める出し方と申込みの要否
4収集日に合わせて袋を出し、粗大ごみを申し込む処分に必要な日数
5家具と家電を運び出し、清掃と原状回復をする業者に頼む範囲

何日かかるかは、部屋数と床が見えているかどうかで大きく変わります。間取りごとの日数の考え方はゴミ屋敷が片付くまでの日数で解説しています。

賃貸の明け渡し日から逆算する

賃貸の部屋なら、起点は解約通知を出した日ではなく、契約で決まっている明け渡し日です。

家賃は明け渡しまで発生し続けるので、1か月延ばせばそのぶん賃料も増えます。

粗大ごみの収集は申し込んでから日が空くため、最終日の直前にまとめて出そうとすると間に合いません。

段階4を明け渡し日の2週間以上手前に置いてください。

相続放棄を考えているなら、まだ捨てない

故人に借金がありそうなら、片付けそのものを止める判断があります。

相続財産を処分すると、相続を承認したものとみなされて放棄が認められなくなることがあるからです。

相続放棄と限定承認の申述は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ行います。

起算日は亡くなった日ではありません。

財産と借金の全体が3か月で把握できないときは、期間内であれば家庭裁判所に伸長を申し立てられます。

借金の有無が分からない段階で家財を運び出すかどうかは、弁護士か司法書士に相談する場面です。

捨てる前に探すもの|袋を縛る前に回収する書類

探す対象は決まっています。次のものが出てくるまで、紙類の入った袋を封をせずに置いておきます。

  • 通帳・キャッシュカード
  • 保険証券
  • 年金手帳
  • 不動産の権利証と登記識別情報
  • 遺言書
  • 印鑑と印鑑登録証
  • 貸金庫の鍵と契約書
  • 有価証券
  • 借用書

仏壇の引き出しに通帳、押し入れの奥に権利証、開封されないままの封筒に保険証券が入っていることがあります。

ゴミ屋敷の状態だと、こうしたものが新聞紙やダイレクトメールに挟まったまま床に積もっています。

紙の層は一枚ずつめくるしかありません。

この工程だけは人手を増やしても時短になりにくく、最初の一日を丸ごと使うつもりで組んでください。

通帳と保険証券は、口座の数を確かめるための手がかり

通帳そのものが無くても手続きはできますが、どの金融機関に口座があるのかを知る手段が無くなります。

金融機関名が印字されたカレンダーやタオル、粗品の入れ物も、口座を見つける手がかりになります。

保険証券も同じで、保険会社からの封筒が1通残っているだけで請求先がたどれます。

判断に迷うものは、写真を撮ってから捨てると後戻りできます。

権利証が出てきたら、相続登記の3年を確認する

不動産の権利証や登記識別情報通知が出てきたら、その家か別の土地の名義が故人のままである可能性があります。

相続登記は、不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。

2024年4月1日より前に相続した不動産も対象で、この場合の期限は2027年3月31日までとなっています。

祖父母の代の名義が残っているケースもあるため、権利証は束のまま保管してください。

遺言書らしき封筒は、その場で開けない

封をされた遺言書が出てきたら、開けずに保管します。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は家庭裁判所の検認が必要で、封を開けずに持ち込むのが原則です。

公正証書遺言と、法務局の自筆証書遺言書保管制度を使ったものは検認が要りません。

封筒の表書きで判断がつかないときは、そのまま封筒ごと持ち帰ってください。

貸金庫の鍵と印鑑は、小物入れに紛れる

貸金庫の鍵は見た目が小さく、菓子の空き缶や机の引き出しの小物と一緒に捨てられやすいものです。

契約書が一緒に無いと、どの支店の貸金庫なのかも分かりません。

印鑑も同様で、実印がどれなのかは印鑑登録証明書と照らすまで確定しません。

判子は全部まとめて保管し、片付けの最後に整理してください。

何から手をつけるかの全体像は遺品整理の始め方で解説しています。

家庭ごみ・粗大ごみ・自己搬入の使い分けと、申込みのタイミング

分別の基準は自治体が決めています。ゴミ屋敷の片付けでは量が多いぶん、出し方の違いがそのまま日数の違いになります。

家庭ごみは、一度に出せる量に上限があることがある

指定袋で出す通常のごみは、収集日が品目ごとに決まっています。

燃えるごみが週2回でも、びん・缶やプラスチックは週1回というように間隔が空きます。

一度の収集で出せる袋の数に目安を設けている自治体もあり、数十袋をまとめて集積所に置くと残されることがあります。

何袋まで出せるかは市区町村の収集ルールで確認してください。

遠方から通っているなら、収集日の前夜に到着して朝に出す組み方が現実的です。

粗大ごみは、申し込んだ日には持っていってもらえない

家具や布団は事前申込みが要ります。

申込みから収集日までは日が空き、引っ越しシーズンはさらに先になります。

品目ごとに手数料が決まっていて、指定の券を買って貼る方式が一般的です。

申込みから収集までの手順は粗大ごみの出し方で解説しています。

なお、自治体では回収しない品目があります。

大型の家電や消火器などが該当することが多いので、引き取り方法は市区町村の案内で確認してください。

急ぐなら、清掃工場への自己搬入を調べる

車を出せるなら、自分でごみ処理施設へ運び込む方法があります。

収集日を待たずに処分でき、一度に運べる量も袋数の制限を受けません。

ただし、事前予約が必要な施設、平日しか受け付けない施設、搬入者の身分証と住所の確認を求める施設があります。

料金は重量制のところが多く、計量してから支払う流れです。

受け入れの条件と料金は施設ごとに違うため、市区町村の清掃部門に電話で確認してから車を出してください。

ゴミ屋敷の片付けが止まるのは、兄弟の同意と仏壇の行き先

作業が物理的に進まなくなるより先に、この2つで止まります。どちらも先回りできます。

「あれを捨てたのか」を防ぐのは、着手前の一報

相続人が複数いるなら、価値のあるものを1人の判断で処分すると後から揉めます。

貴金属・骨董・現金・車といった換金できるものは、写真を撮って一覧にしてから兄弟に共有してください。

片付けを始める日、処分する範囲、費用を誰が立て替えるかを先に決めておくと、作業中の連絡が減ります。

費用の負担をどう決めるかは片付け費用は誰が払うかで解説しています。

仏壇・位牌・遺影は、家財とは別枠で扱う

墓・仏壇・位牌といった祭祀(さいし)財産は、相続財産とは別に1人が引き継ぐ決まりです。

遺言などの指定が無ければ慣習により、それでも決まらなければ家庭裁判所が定めます。

相続放棄をした人でも祭祀を引き継ぐことはできます。

引き取り手が決まらないまま部屋を明け渡す日が来ると、行き場のない仏壇だけが残ります。

処分の作法や供養の要否は宗派と寺院で扱いが違うので、菩提寺があるならそこへ、無ければ仏壇店や自治体の窓口へ相談してください。

遺影や人形も同じ扱いで、一般の家財と一緒に袋へ入れるかどうかは家族の中で先に決めておきます。

「無料回収」のトラックに渡すと、不法投棄の責任が戻ってくる

家庭から出た不用品を運んで処分するには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

買い取るなら都道府県公安委員会の古物商許可が別に要ります。

産業廃棄物収集運搬業の許可では家庭ごみを運べません。

無料をうたって巡回するトラックは、この許可が無いことが多く、渡した荷物が山林に捨てられれば排出者側が問われることもあります。

依頼先には会社名と許可番号を聞き、市区町村の許可業者一覧と照らしてください。

遺品整理士は一般社団法人遺品整理士認定協会の民間資格で、これがあれば廃棄物を運べるわけではありません。

許可の有無とは分けて見ます。

訪問して買い取る業者を呼ぶ場合、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。

その間は物品の引き渡しを拒めます。

玄関先で値段を告げられてその場で持ち出されそうになったら、書面を求めてください。

自力でやるか、ゴミ屋敷の片付け業者に頼むか

分かれ目は、量そのものより「期限までに何人日を確保できるか」です。

片付けは袋詰めよりも、出す作業と運ぶ作業に時間を取られます。

週末だけ遠方から通う条件なら、実働は月に4日しかありません。

業者の見積額は、次の条件で動きます。

  • ごみの量(トラックの台数で数える業者が多い)
  • 階数とエレベーターの有無
  • トラックを家の前に付けられるか、横持ちが必要か
  • 分別が済んでいるか、未分別のまま任せるか
  • 作業に必要な人数と日数
  • 床や壁の汚損があり、清掃や消臭を追加するか

このうち自分で下げられるのは、量と分別の2つだけです。

紙類と衣類を先に出しておくだけでトラックの台数が変わることがあります。

間取りごとの目安と追加料金が発生する条件はゴミ屋敷の片付け費用で解説しています。

見積もりは2社以上から書面で取り、総額ではなく費目の内訳を見てください。

人件費・車両費・処分費・清掃費が分かれていて、処分費が重量で変わるのかどうかが書いてあるかを確かめます。

電話やメールだけの概算で契約すると、作業当日に「思ったより多い」と言われて金額が動きます。

現地を見ずに総額を出す業者は、その場で決めない判断もあります。

全部を任せる必要もありません。

探す工程と分別は自分でやり、大物の搬出と処分だけを頼む分け方なら、費用を抑えつつ期限に間に合わせられます。

どこで線を引くかの考え方は自力と業者依頼の分かれ目で解説しています。

なお、粉じんや害虫、腐敗したものを扱ったあとに体調の変化があれば、無理に作業を続けず医療機関に相談してください。

よくある質問

ゴミ屋敷の片付けは、どの部屋から始めるといいですか

書類が出てきそうな部屋からです。

寝室・仏間・玄関周りの棚には、通帳や保険の封筒が置かれていることがあります。

台所や浴室は量が多く達成感がありますが、探すものは出てきません。

先に書類を回収してから、量の多い場所に移ると手戻りが減ります。

相続放棄を考えていますが、部屋を片付けても大丈夫ですか

財産にあたるものを処分すると、相続を承認したとみなされて放棄が認められなくなることがあります。

判断は個別の事情で変わるため、借金の有無がはっきりしない段階では、弁護士か司法書士に相談してから動いてください。

申述の期限は、自分が相続人だと知った時から3か月です。

遠方に住んでいて週末しか通えません。どう組めばいいですか

粗大ごみの申込みと自己搬入の予約を、平日に電話で先に済ませておきます。

現地でできるのは袋詰めと搬出なので、収集日と滞在日が重なるように日程を組んでください。

収集日が平日しかない自治体では、週末に出した袋が集積所に残ります。

通帳や権利証が見つからないまま、業者に任せてもいいですか

業者に「書類が出てきたら抜いてほしい」と伝えるだけでは足りません。

作業は袋詰めの速度で進むので、紙の束まで確認してもらうのは難しいためです。

探す工程は自分でやるか、立ち会って紙類を別にしてもらう取り決めを見積時に書面へ入れてください。

相続税の申告までに片付けを終える必要はありますか

片付けの完了自体に期限はありません。

ただし相続税の申告と納付は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。

家の売却や預金の解約に必要な書類が家の中にあるなら、その前に見つけておく必要があります。

準確定申告が要る場合の期限は4か月なので、こちらのほうが先に来ます。

仏壇や遺影は、粗大ごみに出してもいいですか

自治体によっては粗大ごみとして受け付けます。

ただし引き継ぐ人が決まっていない段階で処分すると、あとから親族間の問題になります。

菩提寺があるならまず相談し、無ければ仏壇店や自治体の窓口で引き取りの方法を確認してください。

まとめ

ゴミ屋敷の片付けは、探す一日を先に取るかどうかで結果が変わります。

通帳・権利証・遺言書を回収しないまま袋を出すと、片付けは進んでも相続の手続きが止まるからです。

日程は明け渡し日か相続の期限から逆算し、粗大ごみの申込みを最終日の直前に置かないでください。

業者に頼むときは、許可番号を確認し、費目の内訳が書かれた見積書を2社以上から取ります。ぜひ本記事の5段階の流れと「捨てる前に探すもの」の一覧を手元に置いて、最初の一日の使い方から決めてください。

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