SHARE:

納骨堂の費用はいくら?タイプ別の目安と管理料を確認

納骨堂の費用はいくら?タイプ別の目安と管理料を確認

納骨堂の平均購入価格は81.5万円です(鎌倉新書 第17回お墓の消費者全国実態調査/2026年1月時点)。

一般墓の152.0万円と比べれば半分ほどで、パンフレットの表紙にもこの総額が大きく刷られています。

ただし、その金額に年間管理料は含まれていません。

納骨堂は、契約した期間のあいだ管理料を払い続ける施設です。

個別に安置される年数が13年なのか33年なのかで、支払う管理料の合計は倍以上に開きます。

初期費用の総額だけを見比べて決めると、あとで差額に気づくことになります。

本記事では、使用料と年間管理料という内訳・骨壺の数と安置年数で動く金額・見積書に出てこない彫刻料や納骨作業料・費用を誰が払うのかの線引きまで解説します。

納骨堂の費用は平均81.5万円、その総額に年間管理料は入っていない

金額の位置を確かめるところから始めます。同じ調査で、種類別の平均購入価格は次のようになっています(鎌倉新書 第17回お墓の消費者全国実態調査/2026年1月時点)。

お墓の種類平均購入価格
一般墓152.0万円
納骨堂81.5万円
樹木葬71.7万円

この調査は2026年1月16日から30日に実施されたインターネット調査で、有効回答は1,267件です。

回答者は、ポータルサイト「いいお墓」を経由して2025年にお墓を購入した人に限られます。

全国すべての購入者の平均ではないため、自分の地域で受け取る見積書とはずれることがあります。

購入した種類の割合を見ると納骨堂は15.5%で、いちばん多い樹木葬の47.4%とは差がありました。

総額に含まれる費目は施設ごとに違う

納骨堂の費用は、契約時にまとめて払う初期費用と、毎年かかる管理料に分かれます。

初期費用の組み方は施設によって違い、使用料と永代供養料、銘板の彫刻料までをひとまとめに「◯◯万円」と表示する施設もあれば、彫刻料を別立てにする施設もあります。

総額の数字だけを並べても、どちらが安いのかは分かりません。

費目を書き出して、抜けている項目を埋めたうえで比べてください。

年間管理料は総額の外で積み上がる

年間管理料の平均額を示した公的な統計は確認できていません。

施設ごとに年額が提示されるので、契約書に書かれた年額に個別安置の年数を掛けて、自分で合計を出すことになります。

安置期間分を一括で前払いする形をとる施設もあり、その場合は初期費用の中に管理料が溶け込んでいます。

前払いか毎年払いかを確認しないと、2つの施設の総額は同じ条件で比べられません。

管理料の支払いが止まったときの扱いも規約に書かれています。

一定期間の滞納で契約を解除し、遺骨を合祀(ごうし)に移すと定めた施設があります。

永代供養がついていても「永代」は永久ではありません。

多くは三十三回忌や十七回忌までを個別に安置し、その後は他の遺骨と一緒に合祀され、合祀後は遺骨を取り出せなくなります。

年数と合祀後の扱いは永代供養の仕組みと向いている人で解説しています。

納骨堂の金額を動かすのは、納める骨壺の数と個別安置の年数

総額が平均の前後どちらに振れるかは、施設の外観や立地よりも先に、この2つで決まります。

1体用か、夫婦2体用か、家族向けか

納骨堂の区画は、収められる骨壺の数によって価格が段階的に上がります。

1体用がいちばん安く、夫婦2体用、家族4体以上と大きくなるにつれて使用料も上がります。

ここで見落としやすいのが、いまの墓から移す遺骨の数です。

祖父母の代から数えると骨壺が4つ5つ出てくることがあり、その場合は1体用を複数契約するより家族向けの区画を1つ取ったほうが総額が下がることもあります。

墓地の管理者に、いま墓の中に骨壺がいくつ納まっているかを先に確認してください。

個別安置は13年か33年か

個別に安置される期間は施設が定めており、13年・17年・33年といった区切りが置かれています。

年数が長いほど使用料は上がり、そのあいだ払う管理料の合計も増えます。

逆に短い期間で契約すれば初期費用は抑えられますが、子や孫が墓参りに来たい時期に、すでに合祀されている可能性が出てきます。

期間が終わったあとの更新ができるのか、そのまま合祀へ移るのかは納骨堂の契約期間と期限後の扱いで解説しています。

立地とタイプで設備の維持費が変わる

同じ調査では、選ぶときに重視した点として次の項目が挙がっていました。

  • お墓の種類 50.0%
  • 金額 43.9%
  • 継承者が不要なこと 38.8%
  • お墓参りのアクセス 38.4%

金額とアクセスは、多くの場合たがいに引っ張り合います。

駅から歩ける都心の施設は、土地の取得費と建物の維持費が使用料に乗ります。

参拝室まで骨壺を機械で運ぶ自動搬送式は、その装置の点検や更新の費用を管理料で受け持つ形になります。

ロッカー式・仏壇式・自動搬送式の作りの違いは納骨堂のタイプ別の違いで解説しています。

遠方の実家の墓を引き継げないという事情で探しているなら、自分と子の住まいから通える範囲を先に決めてから、その中で金額を比べる順序のほうが迷いません。

見積書に彫刻料や納骨作業料が入っていないことがある

納骨堂の見積書は、初期費用の総額が大きく書かれ、実費として後から請求される費目が小さく並ぶ形になりがちです。契約前に、次の費目が総額に含まれているかどうかを一つずつ確かめてください。

  • 銘板やプレートへの彫刻料(何名分まで含まれるか、名前を追加するたびにかかるか)
  • 納骨のときの立ち会い料や、収蔵庫の開閉にかかる作業料
  • 法要室・会食室の使用料
  • 施設の指定サイズに合わない骨壺の入れ替え、遺骨の乾燥や粉骨

最後の1つは、古い墓から移す人にだけかかる費目です。

長く土に近い場所へ納められていた遺骨は湿っていることが多く、納骨堂が指定する小さめの骨壺に収めるために乾燥や粉骨を求められる場合があります。

この作業は納骨堂ではなく石材店側の見積書に出るため、両方を並べないと総額が分かりません。

前の墓を片づける費用は別に積む

墓石の撤去工事費について、相場を示せる公的な統計は確認できていません。

金額が何で決まるかははっきりしていて、区画の面積、外柵とカロート(遺骨を納める石室)の量、重機が入れるかどうか、搬出経路の広さで動きます。

傾斜地や階段の先にある区画は手作業になるため、同じ面積でも金額が上がります。

現地を見てもらったうえでの見積書で判断してください。

手続きの順序にも決まりがあります。

遺骨を別の場所へ移すには、いまの墓地がある市区町村が発行する改葬許可証が必要です。

申請には受け入れ先の受入証明書と、現在の墓地管理者の埋葬証明書を添えるため、納骨堂の契約が固まらないと申請そのものができません(墓地、埋葬等に関する法律5条)。

許可証を取らずに遺骨を動かすのは違法です。

令和4年度の改葬件数は151,076件でした(厚生労働省 衛生行政報告例)。

一部の遺骨だけを手元に置くなら、改葬許可証とは別に分骨証明書が必要になります。

寺院墓地を離れる場合、離檀料を請求される例があります。

法律に支払義務を定めた規定はなく、相場として断定できる統計もありません。

求められたときは、金額と根拠を書面で示してもらってください。

仏壇も同時に手放すのであれば、その費用は別に見込む必要があります。

依頼先ごとの目安は仏壇の処分費用で解説しています。

削ると後で困る費目

金額を下げやすいのは、区画の大きさと立地です。

夫婦2体で足りるなら家族向けの区画を取る理由はなく、駅前から一駅離れるだけで使用料が変わる地域もあります。

個別安置の年数を短くする選択でも初期費用は下がります。

一方で、金額の安さだけで選んでしまうと後から取り返せない部分もあります。

運営しているのが誰なのか、募集や販売を代行している会社とは別なのかは、契約書面で確かめてください。

個別安置の年数、合祀後に遺骨を取り出せるかどうか、管理料の改定に関する条項、解約したときの返還の有無は、口頭説明ではなく書面に書かれているかどうかで判断が変わります。

建設中の施設を契約する場合は、完成の遅れや計画変更のときの扱いも確認しておきます。

運営が行き詰まったときに何が起きるかは納骨堂の経営破綻や承継のトラブル例で解説しています。

納骨堂の費用は誰が払うのか|祭祀承継者と相続人の線引き

兄弟や叔父叔母と話す前に、法律が何を決めていて何を決めていないのかを分けておくと、話の混乱が減ります。

法律が決めているのは承継者で、費用の負担者ではない

墓や仏壇、位牌といった祭祀(さいし)財産は、相続財産とは別枠で1人が引き継ぎます。

故人の指定がなければ慣習によって決まり、それでも決まらなければ家庭裁判所が定めます(民法897条)。

この規定が決めるのは誰が引き継ぐかまでで、その人が費用を全額負担せよとは書かれていません。

相続を放棄した人でも祭祀承継者になれます。

つまり、納骨堂の費用を誰がどう分けるかは、当事者の合意で決める話です。

承継者が1人で払う形も、きょうだいで頭割りにする形も、どちらも取れます。

年間管理料は契約者が払い続けるものなので、払う人と契約名義をそろえておくほうが、あとの引き落としで揉めません。

遺産から出すなら相続人全員の合意が要る

故人の預金から納骨堂の費用を出したいときは、遺産分割協議の中で、その支出を先に差し引くことを相続人全員で合意しておいてください。

合意なしに引き出して払うと、分割の話が振り出しに戻ることがあります。

相続放棄を考えている人がいる場合はさらに慎重に進める必要があり、相続財産を使うと単純承認したものとみなされて放棄ができなくなります。

放棄の期限は、自分が相続人だと知った時から3か月です(民法915条)。

もう一点、口座の扱いにも注意が要ります。

故人の口座は、金融機関が死亡を把握した時点で凍結されます。

生前に本人が契約して本人の預金から払う段取りなら問題になりませんが、亡くなったあとに同じことはできません。

相続税の申告が必要な家庭では、申告と納付の期限が相続の開始を知った日の翌日から10か月と決まっています。

納骨堂を探す時期がこの期間と重なるため、支払いの原資をどこから出すかは早めに決めておくほうが動きやすくなります。

葬祭費・埋葬料は納骨堂の使用料への給付ではない

健康保険の被保険者が亡くなったときの埋葬料は一律5万円です。

国民健康保険と後期高齢者医療の葬祭費は、市区町村ごとに額が異なります。

どちらも葬祭にかかった費用に対する給付で、納骨堂の使用料そのものを対象にした全国共通の助成は確認できていません。

自治体が運営する施設の募集条件や、独自の制度があるかどうかは、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

よくある質問

納骨堂の費用は一般墓よりどのくらい安いのですか

平均購入価格で比べると、一般墓が152.0万円、納骨堂が81.5万円です(鎌倉新書 第17回お墓の消費者全国実態調査/2026年1月時点)。

ただしこれは初期費用の平均で、納骨堂の年間管理料は含まれていません。

安置年数の長い契約では管理料の合計が膨らむため、年額に年数を掛けた金額を足して比べてください。

年間管理料を払わないままにするとどうなりますか

施設の規約によりますが、一定期間の滞納で契約を解除し、遺骨を合祀に移すと定めているところがあります。

合祀されると遺骨は取り出せません。

契約者が引っ越したり亡くなったりして通知が届かないまま滞納になる例もあるため、名義人の住所変更は届け出ておいてください。

個別安置の期間が終わったあと、追加の費用はかかりますか

期間終了後の扱いは3つに分かれます。

更新料を払って延長できる施設、そのまま合祀へ移る施設、合祀の際に別途の供養料を求める施設があります。

どれに当たるかは契約書面に書かれているので、更新の可否と、そのときの金額の決め方まで確認しておくと、次の世代が判断しやすくなります。

今の墓から移す場合、納骨堂の費用のほかに何がかかりますか

墓石の撤去工事費、改葬許可の申請にかかる手数料と証明書の取得費、骨壺の入れ替えや粉骨の費用がかかります。

寺院墓地なら離檀料を求められることもあります。

撤去工事費は区画の面積と重機が入れるかどうかで変わるため、現地を見た石材店の見積書で判断してください。

納骨堂の費用は相続人で分けて払えますか

分けて払えます。

祭祀承継者を1人決める規定(民法897条)は、費用の負担者を定めたものではありません。

頭割りにするのか、実家を相続する人が多めに負担するのかは話し合いで決められます。

遺産から支出する形にするなら、その内容を遺産分割協議書に書き残しておいてください。

まとめ

納骨堂の平均購入価格は81.5万円ですが、この数字は初期費用の平均であって、年間管理料はここに乗っていません。

施設を比べるときは、契約書の管理料の年額に個別安置の年数を掛けた合計と、彫刻料や納骨作業料といった実費を足したうえで並べ直してください。

金額が動く条件は、納める骨壺の数と安置される年数にほぼ集まっています。

費用を誰が払うかは法律が決めていません。

祭祀承継者を1人決める規定はありますが、負担の分け方は家族の合意に委ねられています。

遺骨を移す手続きは受け入れ先が決まらないと始められないので、納骨堂の候補を絞る作業と、親族へ話を通す作業は並行して進むことになります。

先祖の墓を手放すことへのためらいは、書面で確かめた事実を手元に置いてからのほうが話しやすくなります。

ぜひ本記事の費目リストと、骨壺の数・安置年数という2つの条件を手元に置いて、候補の見積書を同じ条件で並べ直してみてください。

あなたへのおすすめ